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パタゴニア:「地球を守る」ビジネス 「政府任せにはできない」と決意

2019年07月28日

廃棄された漁網をリサイクルした素材で作ったサングラスを手に語るパタゴニアのアレックス・クレマー開発担当ディレクター

 アウトドア衣料の「パタゴニア」は1月から、製品の修理方法を消費者に提供し、修理不能なものも回収してリサイクルするプログラム「ウォーンウエア」を日本でスタートしている。来日した同プログラム担当のアレックス・クレマー開発担当ディレクターに、同社の戦略について聞いた。

 同社は1973年、創業者のイヴォン・シュナード氏が米カリフォルニア州で設立し、世界展開しており、昨年自社の行動指針として「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」を掲げ、さまざまな取り組みを進めている。

 クレマー氏は今回、ウォーンウエアカーで日本の11大学を回り、衣服の修理の実演などをする「ウォーンウエア・カレッジツアー」の視察のために来日した。クレマー氏はウォーンウエアの意義について「衣料の製造には非常に多くの素材を必要とする。すべての消費者にできるだけ長く製品を使ってもらうことを日々の生活に取り入れてもらうという意味で非常に大きな役割を果たしている」と評価する。

 同氏は、環境や社会に対する革新的なアイデアで企業に投資を行う「ティンシェッド・ベンチャーズ」の責任者でもある。同氏は「例えば、チリの海岸線で破棄された漁網を集め、それを素材にサングラスを作るブレオという企業に投資しています」と胸を張る。「漁師が海岸で捨てられた漁網を回収して、それをナイロンの素材として製品を作るというストーリーを伝えられる。漁師にとっての新たな収入源にもなる。こうした社会的な利点を持つ企業に投資をしていきます」と語る。日本でも太陽光発電パネルの下で農業を展開する企業にも投資しているという。同氏は「投資先の企業が開発した技術はパタゴニアが独占することはなく、競合する他社にも提供していきたい」という。

 また同氏は「パタゴニアは農業に注目しています」と指摘する。同社では二十数年前から素材としてオーガニックコットンを採用しているが、それをさらに進めて「土壌を健康にし、野生生物を保護しながら、食品をつくることが重要」と、「環境再生型オーガニック認証制度=リジェネレイティブ・オーガニック・サーティフィケーション」(ROC)に積極的に取り組んでいる。「日本の農家にもROCに参加してほしい」と話す。

 同氏は「政府に任せていても全く進まない。ビジネスが先行していかないといけない」と語り、日本の消費者には「手元にあるものをもっと長く使えるか見直すなど、情報を集めて、吟味した上で消費をしてほしい」と訴えた.

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