2023.02.10

2022年2月11日、創立100周年を迎えたGlicoグループ

2022年、帝国データバンクの発表によると、創業から節目の年を迎える「周年記念企業」は全国に135,425社。うち100周年企業は1,065社となっている。本企画では、編集部が厳選した企業の節目を祝い、その軌跡をご紹介。第一回目は今から100年前、第一次世界大戦終結にともない平和記念東京博覧会が開催された1922年に創業した江崎グリコだ。創業100周年を迎え、今なお社会に貢献し続ける日本を代表する企業へ、感謝の意を込めて。

1922年2月11日、「食品による国民の体位向上」という創業者 江崎利一の強い信念から生まれた「栄養菓子グリコ」。そのほか、糖質量に着目した「SUNAO」、毎日の健康や美容を応援する「アーモンド効果」など、「おいしさと健康」を実現するために多くの商品を創り続けてきたGlicoグループ。2022年には創業100周年を迎え、企業理念を基に培ってきたこれまで100年の経験や取り組みを礎とし、あらゆる世代や国の人たちの食を通じた生活づくりに今なお貢献し続けている。

江崎グリコは1922年2月11日、大阪・三越で、赤い箱の栄養菓子「グリコ」の販売を開始した。昭和の初頭にかけて中国へ進出、東京工場新設と急成長したものの、1945年には空襲と終戦によって国内外の資産をすべて失っている。

しかし、「戦火にも焼けなかった資産がある。それはGlicoの名前である」と語り継がれるように、戦後は委託加工のビスケット製造からスタートして「ビスコ」の製造を再開。次いで「グリコ」を復活した。復興後には「アーモンドチョコレート」「プリッツ」「ジャイアントコーン」「ポッキー」など、誰もが知る超ロングセラー商品を次々に生み出している。

風味袋(左上)、ゴールインマークが描かれたパッケージ(左下)、割引券付引札(中)、最初の新聞広告(右)

世の中の生活が豊かになるとともにデザート類へのニーズも高まり、「プッチンプリン」を筆頭に、「カフェオーレ」「パナップ」「セブンティーンアイス」が誕生。一方、研究所を設立し、本格的に研究開発にも取り組み始めた。

そうした中、創業者 江崎利一は「Glicoの七訓」を掲げ、社員が多くの苦難を乗り越えて会社の存続・発展のために実践してきたことの根源となる考え方や行動指針を集約。これはGlicoグループ発展の原動力となり、今も社員の行動の手本となっている。

Glicoグループの始まりは前述した通り、創業者 江崎利一の「食品を通じて国民の体位向上に貢献したい」という強い信念があったからに他ならない。そして時代や環境が変わっても変わることのない、本質をとらえたこの教えが創業から現在まで脈々と受け継がれてきたのだ。江崎利一の座右の銘は『事業奉仕即幸福』。どこまでも“世のため人のため”を貫いた経営者の信念は、これからの100年も新たな時代と共に、人々の生活へ根付いていくことだろう。

転載元:Qualitas(クオリタス)