ビューティー

「美容」と「予防」でQOLの総合的医療を 麹町皮ふ科・形成外科クリニック 苅部淳院長

2021年07月09日

「心と体全体に意識を向けることが“美”」と語る麹町皮ふ科・形成外科クリニックの苅部淳医院長は、幹細胞移植による再生治療の研究や、予防医療の普及にも努める。「美容」を入口として、外面美・内面美・精神美といったクオリティー・オブ・ライフ(QOL)の総合的医療に取り組む苅部院長に、「美」と「健康」への思いを聞いた。

麹町皮ふ科・形成外科クリニック 苅部淳院長

画一的な「美」は心の不健康

SNSマーケティングなどで、シミの次はシワ、ヒアルロン酸を注入して……といったように次々に恐怖心で煽動して、同調圧力で人それぞれのアイデンティティーを奪う今の美容医療ビジネス業界に警鐘を鳴らしたいと考えています。私どものクリニックではそのような接触はせず、「なぜ、シミを無くしたいのか」を問いかけ、どんな状態がその方にとって幸福なのか?を一緒に考えるスタンスを心がけています。

そのため、他院の10年以上にわたり精神科でで診療をしてきた問診を行う私が、当院の患者さん一人一人の悩みと向き合い、自分に自信を持たせて愛することができるように背中を押していることも多々あります。多くの場合、不安の原因は「顔シミ」自体にあるのではなく、その背景にあるものです。「きれいになりたいのはなぜなのか?」この答えを患者さん自らが考えること、それが当院のカウンセリングです。また、医師として「シミ」をきっかけに、腸の状態や中性脂肪の状態などにも触れ、食事や運動の提案もします。つまり、心と体全体に意識を向けてもらうことが、私どもの「美」の考え方なのです。

その考えは、幼いころに海外のインターナショナルスクールに通っていた経験が反映されています。多彩な人種と学校生活を共にする中、いがみ合いがあったり、対等にディベートしたり、多様性を認め尊重する意識が育まれ、自らのアイデンティティーを主張する切実さも経験しました。自身のルーツをあらわす外見や、内なる価値観を認めて尊ぶこと、その大切さを伝えることも形成外科・美容外科の仕事であると確信しているので、「美容」を入口として、外面美・内面美・精神美といったクオリティー・オブ・ライフ(QOL)の総合的医療に取り組んでいます。

麹町皮ふ科・形成外科クリニック 苅部淳院長

「幹細胞」が秘める可能性

東京大学附属病院の形成外科勤務時代に、世界に先駆けて脂肪幹細胞の研究に携わってきており、吉村浩太郎医師(現自治医大)の仕事を見てきたことや、現在も再生医療専門クリニックで治療にあたっています。当クリニックも再生医療認定施設として、毛髪再生頭皮ややけど跡、手術跡などに幹細胞培養上精の注入移植治療を行うなど、独自の研究も進めてきました。塗布するだけで250%以上の細胞増殖が認められたが判明している「幹細胞培養上精液」はまだまだ可能性を秘めた分野といえます。

そんな中、ある時から幹細胞というキーワードを用いた化粧品が市場に散見されるようになり、いくつかの疑問を抱くようになりました。まずは、何の幹細胞を用いているのか不明な点、効果を保証しうるのに充分量であるのかという点、さらに効果を維持する製剤であるのかという点です。これらの懐疑点を医学的エビデンスのもとに整理して開発したのが当クリニックの「幹細胞化粧品」です。当院では人由来の脂肪を約6週間かけて培養、抽出した培養上清液をマイナス80度で瞬間冷凍することで、“生きたまま”の成長因子細胞の状態を壊すことなく保管し、ナールスゲンやフラーレンなどの厳選成分を配合し、化粧水・美容液・クリームを院内製剤しています。「美容」を入口として外面美・内面美・精神美といったQOLの総合的医療に取り組む当院だからこそ、真価ある製品を提供したいと考えており、再生医療研究の最前線で生み出された「幹細胞化粧品」が、一つでも多くの悩みを解決したいと思います。

インタビューに応じる苅部淳院長

実生活に“予防”を根付かせたい

もう一つ大切にしているものは、「予防医療」です。2019年から一般社団法人予防医療研究協会の理事長を務めており、特に「腸」の問題に注力しています。腸は人間の根幹を司り、体への命令系統であるだけでなく、腸脳相関の観点からも、心と体への影響が大きく、美や健康や心の安定といったあらゆる問題(病気)の“予防”を講じるのに要となる臓器です。発生した病気への対処がこれまでの医療の主流であったのならば、「予防」によって病気を押さえ込みたいと考えています。

そこで2020年から予防啓発発信者の育成に取り組んでいます。腸内細菌や腸の活動、食生活について専門的な観点で患者に説明できるトレーナーやプランナーを全国で育成するため、資格制度とオンラインの講座を開講。第一期生が巣立ったところです。また、家庭で腸内細菌検査が受けられる検査キットツールの普及にも力を入れています。これまでにない簡易な検体採取を可能とし、検査後には食事法などのフォローも行います。専門プランナーの育成や簡易な検査キットなどを通じて、患者さん一人一人の状態に応じたオーダーメイドの対応を目指しています。さらには、機能性乳酸菌1兆個を配合し、腸内で乳酸菌を増幅させる天然食物繊維のイヌリンも含んだ乳酸菌食品「Dr.HABIT(ドクターハビット)」も開発しました。1包み粉タイプで、日常生活の中で気軽に摂取しやすいと好評です。

実生活に確実に“予防”を根付かせていくことが、予防医療の核心だという信念を持ち続け、今後も活動していきたいと思います。

◆プロフィル
順天堂大学医学部卒業後、東京大学附属病院形成外科に入局。各地にある東大病院の関連医療機関で研鑽を積み、マイクロサージャリーや乳房再建術も専門とする。また、東京大学附属病院精神科での勤務、日本心身医学会正会員やGID(性同一性障害)学会正会員でもあり、東洋医学やアーユルヴェーダにも学会員や資格を有する。2019年、一般社団法人予防医療研究協会理事に就任。同年、麹町皮ふ科・形成外科をリニューアルし開院する。

麹町皮ふ科・形成外科クリニック
https://biyou.kojihifu.com

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