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<エコノミストTV>人生100年から‟天寿120年”へ  ワイ・テイ・ビイ浅川有基社長

2021年03月29日


◆“未病”を癒やし「わかい・きれい・げんき」に

2017年、日本では90歳以上の高齢者が初めて200万人を超え、“人生100年時代”が現実になろうとしている中、心身ともに自立し、健康的に生活できる健康寿命が重視され、「老化は病気」として、100歳でも50歳なみ活動ができるようになると唱えた本がベストセラーになっている。「わかい・きれい・げんき」を追求している健康機器販売「ワイ・テイ・ビイ」の浅川有基社長は「病気になる前の『未病』の段階で対応するため、自然治癒力を高めないといけない」と説く浅川社長に、人生100年を超えた「天寿120年」について聞いた。

◆超高齢化社会の人生は「2部制」

ベストサラーとなった『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(東洋経済新報社)の著者で、ロンドン・ビジネス・スクールのリンダ・グラットン教授によると「日本では、2007年に生まれた子供の半数が107歳より長く生きる」といい、日本が世界一の長寿社会を迎えるという。また、ハーバード大学医学大学院のデビッド・A・シンクレア教授(遺伝学)は『LIFE SPAN(ライフ・スパン) 老いなき世界』で、老化を“治療”することで、「120歳まで健康に生きられる方法」 を説き、こちらも注目を集めている。

浅川社長も「中国の道教で『人間は120年生きられる』との記述があり、『天寿120年』という。体を若くて活力のある状態に日常的に手当ができるにしておくことができれば、天寿を全うできるのではないか」といい、60歳までを第1部、残りの60年を第2部とする「人生2部制」を唱えている。

◆ホメオスタシス(恒常性)が重要

 2000年にWHO(世界保健機関)が「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義して、「健康寿命」が注目されるようになった。2020年の「高齢者白書」によると、2016年の日本人の平均寿命は男性80・98歳、女性87・14歳で、健康寿命は男性72・14歳、女性74・79歳でいずれも世界トップクラスだ。

 少子高齢化社会が進む中、厚労省も人生100年時代に高齢者にも元気に活躍し続けられる社会システムの構築に取り組んでおり、平均寿命と健康寿命の差をいかに短くするか課題となっている。浅川社長は「現在の医療制度では、医師は病気になってから対症療法として治療をするしかないが、それでは遅い。病気になるそれ以前に必ず『未病』と言う段階が必ずあるので、そこを見逃してはならない」と強調する。

 日本未病学会によると、「未病」という言葉は、2000年前の後漢時代に、中国最古の医学書とされる「黄帝内経」で初めて登場する。そこで「未病」とは「病気に向かう状態」を指し、この未病の時期を捉えて治すことの出来る人が医療者として最高の「聖人」であるとされる。日本では貝原益軒が83歳で著した健康指南書「養生訓」に登場する。大意を紹介すると、「聖人が病気になる前段階で慎んで、病気になる内欲(過度の食欲や性欲)と外邪(感染症やストレスなど)を防ぐことで、のちに病気にならないようにする」ということだ。 浅川社長もこの『黄帝内経』に出会い、「未病」に対することが必要だと知ったといい、生涯を『わかい、きれい、げんき』で全うしようとすれば、体に備わっている『ホメオスタシス(恒常性)』が重要。これを支えているのが自然治癒力で、その力をいかに高めていくかが重要だ」と研究を続けている。

超音波を使った健康機器(波動装置)「カリスマ」の施術を受ける浅川社長


◆コロナ禍でも挑戦

 戦中生まれの浅川社長は大学に進学したが、パイロットを目指して自衛隊に入隊。志半ばで除隊したときに、兄から「先祖が江戸時代から八王子で漢方医をやっていて、その後、『若狭屋』という屋号で薬屋もやっていたらしい。ちょっと勉強してみろ」とアドバイスを受け、大手薬局チェーンに入り、店長を勤めて、薬や化粧品のことを学んだ。さらに大手化粧品メーカーで営業のマネジメントなどを担当した後、2000年に「ワイ・ティ・ビィ」を設立した。

 「未病を癒やす」ことに挑戦し続けている浅川社長は、現在の主力商品である超音波を使った健康機器(波動装置)「カリスマ」を使ったヒーリングセラピーなどを全国150か所のサロンで展開。さらに全国でのセミナー活動などに力を入れてきた。これまでに5万台以上を販売してきた。「『カリスマを一家に1台』を実現させることは私達にとっての天命です」と力を込める

セミナーで登壇する浅川社長


 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大で、従来のセミナーなどによる事業展開が制限されているが、浅川社長は「ピンチをチャンスに変える」と研究開発に力を入れ、サプリメントで免疫効果にかかわる特許を取得するなどの成果を上げているという。さらに、自社製品の良さを知ってもらうために、大規模なモニターによる無料キャンペーンを展開している。「うちの製品はとにかく品質にこだわっているので、量販店などの価格競争ではなく、とにかく使ってもらえればその良さが分かってもらえる」と自信を見せる。

 「デジタルにも対応しなければならない。YouTubeでの動画配信にも挑戦したい」と意欲を燃やし続ける浅川社長。まさに自ら「天寿120年」を実践している姿は力強さに満ちている。

◆私のビジネスアイテム

浅川社長愛用の手帳

浅川社長こだわりのビジネスアイテムは「中村天風 成功手帳」だ。この手帳は、実業家、思想家の中村天風の語録などが収録されている。日露戦争後、天風は世界を遍歴した後、ヨガの修業を積み、帰国して実業家として成功するが、大正8年にその地位をなげうち、人々を救う講演活動に転じた。その「人生成功の哲学」に、東郷平八郎や原敬、松下幸之助ら財界人が師事したという。浅川社長は、この手帳を毎年愛用しているとい、「さまざまな教えが書かれていて、精神的な支えになる。手帳には、記憶しておかなければならないことや、何かヒントになりそうなことなど、とにかく書き留めるようにしています」と笑顔だ。

◆プロフィル

ワイ・テイ・ビイの浅川有基社長


浅川有基(あさかわ・ありもと) 1941年、東京都出身。大手薬品販売チェーンや化粧品メーカーを経て、2000年、ワイ・テイ・ビイを創立。「人間の天寿は120歳」を唱え、健康維持とアンチエイジングの美容健康機器や健康食品などを次々と開発。

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