2022.09.13
障害者就労支援で全ての人をHAPPYに
障害者総合支援法に基づき、一般企業での就労が難しい障害者に、仕事や技能訓練の機会を提供する就労継続支援事業で、雇用契約を結ばない「B型支援事業所」を2016年から、京都市山科区を中心に運営しているカイコウ。「スタッフ、利用者、関係者、みんなで『HAPPY』となれる事業所を目指しています」と語る同社の竹内海作代表に障害者就労支援に懸ける思いを聞いた。

将来に向けたステップアップの場所に
就労継続支援にはA型とB型があり、A型は一般就労への移行に向けて支援するのに対し、B型は一般企業への就職が困難な方に就労機会を提供するとともに、生産活動を通じて、その知識と能力の向上に必要な訓練などの障害福祉サービスを提供することを目的としています。雇用契約を結ぶA型とは違い、B型は雇用契約を結ばず、利用者が作業分を工賃としてもらい、比較的自由に働けるのが特徴です。
私たちの事業所では、障害者が社会に参画できるように基本的な生活活動訓練や、軽作業などの就労訓練を通して、努力の大切さ、それによって起こる感動、やりがいなどを体験してほしいと思っています。私たちが大切にしていることは「関わっていただいた方に想像を上回る感動を与えたい」ということです。利用者が安心できる居場所を作り、そこで達成感や人からの感謝を感じてもらうことで、新しい景色を見てほしいのです。そして彼ら自身の将来に向けたステップアップの場所となれるように注力しています。

アロマセラピストから地域創生へ
私はアロマセラピストとして予防医療に携わる仕事をしていましたが、当時から障害者福祉を含めた地域創生事業をやりたいという思いを持ち続けてきました。仕事の中でその領域に何とか携われないかと模索をしていたのですが、最終的に先輩からのアドバイスもあり、会社を設立して障害者福祉に携わるようになりました。
事業所では利用者の方が楽しみながら自分自身の道を見つけられるようにサポートを行っています。OEMでプリンや焼き菓子などの製造や袋詰め、広告折りを請け負ったり、PC関連の企業と連携した作業、種まきから収穫までの農作業など、さまざまな仕事があります。適性や希望に合わせて作業内容を選び、やりがいを感じつつ少しずつでもできることが増えていけるようにお手伝いをしています。

障害者に活躍の場を
私はいろいろな職業を経験する中で多くの人に助けられて生きてきました。その恩を社会貢献事業を通して世の中に還元し、障害者だけでなく、家族や支援者、スタッフを含めた全てがHAPPYになれる仕組みを作っていきたいと思います。
そして障害者と共に生活して仕事をすることが当たり前だと思える世の中にしていきたいですね。まだまだ障害者が世の中で活躍できる機会が足りないので、彼らが安心感とやりがいを感じながら自分のペースで仕事ができる場所がもっとあってしかるべきで、そのために、弊社が担うべき役割は多くあると思います。障害者のすぐ近くに事業所があれば仕事がしやすいので、広く事業所を展開していけたらと思っています。
障害者就労支援を行う上で大きな可能性があると考え、IT事業部設立に向けて準備をしています。利用者が新しい技術を身に付けて、多くの選択肢を持てるように、私たち自身も成長を続けていきたいと思います。これからも多くの障害者に活躍の場を提供し、全国各地から経済を活気づけ、日本全体の経済が元気になる相乗効果を生み出せるように努めていきます。
株式会社カイコウ
代表
竹内海作
1974年、京都府出身。1999年から、アロマセラピストとして活動し、2013年、教育業の中で障害者福祉の世界と出会う。2016年、株式会社カイコウを設立。2017年、B型支援事業所カイコウ開所。2019年一般社団法人iJ障害者福祉協会を設立。2022年2月 一般社団法人アウン B型支援事業所カイコウM開所。
https://www.kaikou-f.com/