2022.1.27

過去最大級の都市開発プロジェクトの行方

デジタルプラットフォーム(都市OS)となる「ヒルズネットワーク」の概要

2023年、東京の中心部・港区に都内最大規模の再開発エリア「虎ノ門・麻布台プロジェクト」がオープンする。森ビルグループが30年の歳月をかけ取り組んできた都市再生事業だ。 330mのメインタワーを擁し、オフィス、商業施設、ホテルなどさまざまな施設を備えた同エリアは、最大3,000万人の年間来街者数を見込んでいる。六本木ヒルズ以来ともいわれる再開発の特徴や見どころ、30年という長期間の開発の果てに街が目指す将来像をご紹介したい。

過去最大級の都市開発プロジェクトの行方

森ビルグループ最大規模の再開発プロジェクト

虎ノ門・麻布台プロジェクトの計画区域は8.1ヘクタール。3カ所の超高層タワーと低層棟で構成され、六本木ヒルズに匹敵する森ビルグループ最大規模のプロジェクトである。メインタワーの高さは330m、低層部には商業施設、中層部にはオフィスがおかれ、上層部は住居として提供される。高さ270mの西棟。高さ240mの東棟も国内でも屈指の高層タワーマンションだ。低層階にはオフィス、ホテルのほか、ファッション、ビューティー、カルチャー、アート、ウェルネスなど150店舗が出店予定。東棟には日本初進出となるホテルがオープンする点も見逃がせない。

建物は地下鉄の六本木一丁目駅、神谷町駅から地下通路で直結し周辺エリアからも好アクセスだ。
プロジェクトは2023年から順次竣工およびオープンを予定。最終的にオフィス、住宅、商業施設、文化施設のほか、ホテル、インターナショナルスクールなどを含めた、ヒルズ未来形の街が誕生する。最終的に就業人口20,000万人、住居人口約3,500人、年間来街者数2,500~3,000万人を想定している

都心に出現する緑豊かなコミュニティ

虎ノ門・麻布台プロジェクトのコンセプトは、"緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街 - Modern Urban Village -"。「Green」と「Wellness」をキーワードに、緑に囲まれ自然と調和した環境で、人々が人間らしく生きられるコミュニティづくりを目指している。
住居や仕事の場を3カ所の超高層タワーなどに集約し緑のオープンスペースを生み出した。もともとの高低差がある地形を生かし、低層部は屋上も含め敷地全体を緑化している。

開発に際しては、広大な中央広場を街の中心に据え、人の流れや人が集まる場所を考え、3棟の超高層タワーを配置している。これは、従来の建物を配置し、空いたスペースを緑化する方法とは逆の発想である。その結果、虎ノ門・麻布台プロジェクトでは、都心エリアの再開発でありながら、区域面積の3割にあたる2.4ヘクタールの緑地化を実現した。

森ビルグループ最大規模の再開発プロジェクト

地域の再生を目指した再開発プロジェクト

虎ノ門・麻布台プロジェクトは虎ノ門・麻布台地区の再開発を目的とした取り組みである。開発事業の始まりは30年前以上前にさかのぼる。当時の同地区は建物の密集や老朽化、防犯面の不安などさまざまな問題を抱えていた。高台と谷地が入り組んだ高低差のある計画地は、道路ネットワークなど地域のインフラ整備も含めた抜本的な解決が必要だった。

1989年、地域で街づくり協議会の設立をきっかけに再開発への動きが始動。その後、国家戦略特別区域法に基づく区域計画が認定され、2019年からプロジェクトの着工を開始した。開発を通じて地域の道路ネットワークが完成するとともに、地下鉄駅へのバリアフリー化も進み、エリア内外の交通利便性が大きく向上している。

既存のヒルズエリアと融合し、新たなライフスタイルが誕生

虎ノ門・麻布台プロジェクトはアークヒルズに隣接し、六本木ヒルズと虎ノ門ヒルズの中間点に位置している。「文化の六本木ヒルズ」「ビジネスの虎の門ヒルズ」の中心に位置するロケーションを活かし、既存のヒルズと連携・融合することで、都心部に新たな文化・経済圏を創出するのが狙いだ。

また、森ビルグループでは、都市のデジタルプラットフォーム(都市OS)となる「ヒルズネットワーク」を開発。2021年4月よりサービスを開始した。街の利用者は、一人ひとりに最適化された六本木ヒルズ、表参道ヒルズ、アークヒルズなど複数のヒルズの情報を受け取ることが可能となる。虎ノ門・麻布台プロジェクト、虎ノ門ヒルズ、六本木ヒルズ、アークヒルズがシームレスにつながることで、これまでにない都市とライフスタイルが生まれようとしている。

転載元:Qualitas(クオリタス)

TEXT BY KENJI ISHIHARA EDIT BY KANAKO IZUMO