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背伸び先生 高校生がオンラインで「化学」の授業 100人超が参加

2020年04月27日

100人超が参加した「背伸び先生」

 新型コロナウイルス感染拡大で休校になっている高校生が、自ら教師となってオンラインで授業をする「背伸び先生」が24日開かれ、三田国際学園高校3年の山本花香さんが「化学」をテーマに講義し、約100人が参加した。

 オンライン授業は、都立豊多摩高の井波祐二教諭ら未来の教育を考える教師らでつくる「アンポータリズムエデュケーション」が3月に開いたオンラインイベントで発案。高校生が「背伸び」して先生を務めるという企画に、山本さんが立候補した。高校生だけでなく、さまざま年齢層が参加した。

「先生」を務めた山本花香さん


 山本さんは昨年、学校の化学の授業で担当の長崎一樹教諭から「教育×化学」というテーマで授業を1コマ担当した経験から、化学が好きになったといい、今回の「背伸び先生」でも化学を好きになってもらおうと授業に臨んだという。

 授業では、「家の中にある『化学に関わっていそうなもの』を持ってきてください」などとスライドでお題を出し、参加者もコメントを書き込むなど双方向のやり取りがふんだんに盛り込まれた。山本さんは「何にでも興味を持って『?』を大切に」という思いを伝えた。

スライドを駆使して双方向の授業が展開された


約50分の授業を終えた山本さんは「話し始めて仕舞えばすごく楽しくて、みなさんの意見や考え方が面白くて、伝えたいことが素直に口から出て。50分があっという間だった。途中で気づいた方がいらっしゃったけど、もしかしたら私が一番楽しんでしまったかもしれない」などとコメントしている。

主宰した井波教諭は「山本先生の全てを巻き込むドライブ、そして構成力で大人もいろいろ発見し、考えさせられる、とてもいい授業になったと思います。コロナで大揺れの教育界ですが、そんな時だからこそ子供たちにも伝わるコミュニケーションの場作りをしっかり考えて、第2、第3の『背伸び先生』企画を形にしていきたい」と手応えを語った。

アンポータリズム
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