当団体には「想念だけが、わたしの現実を創る」という考え方があります。セッションを通して、心の奥底にある願望の存在に気付いていただき、その願望の通りの現実を創っていくサポートをしています。セッションでは「あなたが問題視しやすいテーマは何ですか？」と尋ねています。「やりたいことがない」という人にも、嫌なことや避けていることは自分の中に山のようにあるはずで、実はその中に本当の自分がやりたがっていることが眠っているのです。

以前の私は、「自然の中で生きる動物も植物も、大抵は幸せそうに生きているのに何で人間だけがこんなに思い通りにいかない人生を送ることになってしまうのだろう」と若いころから悩み、明快な解答を探し続ける人生を送っていました。今ではこの問いに対して、「問題視するから、問題は起こる」ためだと結論しています。人間は他の動物とは違って問題視できる能力があり、そのおかげで人間だからこそ味わえる経験ができるように生まれついているのです。

この考えに至ることができたのは、かつての私自身が経験した苦し過ぎる出来事がきっかけでした。

なぜ人間だけが悩みの中で生きる人生となってしまうのか、私は若い頃からさまざまな心理学や哲学、宗教学を調べて答えを探していましたが、どこにも納得できる答えを見つけられませんでした。あるとき出会った本の中に、「『今この瞬間が完全で完璧です』。この言葉を、本当にそうだと思えるようになるまで、声に出して言い続けなさい」と書いてあるのを見つけました。

その頃の私は、絶対に避けたかった離婚を経験した直後でした。そのため、「今この瞬間が完全で完璧です」というのは当然受け入れられない言葉で、3回声に出しただけで泣けてきてしまうのです。それでも中断せずに必死で言い続け、2時間くらい経過したときに限界が来て、「俺には無理！」と叫んでしまいました。でも、冷静な自分が「じゃあ誰ならこの最悪な状況を『今この瞬間が完全で完璧です』と思えるんだろう？」と、問いかけたのです。ひたすら考えて、「絶対に避けたかったこの離婚を、最高の経験だととらえる価値観の持ち主ならば、そう言える」と思いました。

そもそも「こういう経験がしたい」と思って生まれてきたとしたら、嫌だと思っていたことだけど、"実はやりたかった”ことをやったことで、奥の方にある本当の意識の”ワタシ”は「やってくれてありがとう」と感謝しているだろう。そしてこの感謝している方の自分を、本当の自分だと認識して生きていくことができたならば、感謝であふれた人生を自分で創り出すことができると思いました。この考えを実践したところ、これまで想像できなかった幸せな人生が始まっていきました。他の方にもこの幸せを味わっていただきたいと、2019年に事業を立ち上げ、活動をスタートしました。

「人に見られたら恥ずかしい」、という悩みを持たれている方は、実はそこに問題意識があり、掘り下げていくと、小さい頃は人前で歌を歌うのが好きで、今も人前で歌ってみたいという思いが分かってきます。その思いに忠実に、実際に人前で歌ってみると、いつのまにか歌うことで観客からお金をもらえるようになっていきました。恥ずかしさや恐怖感を乗り越えて、本当の自分の願望を純粋にやってみると、非常に魅力的に映り、「感動をくれてありがとう」といわれる存在になっていくのです。そういう流れが誰にでも起こるようになっていきます。

挑戦の道を選び、「この私が好きだ」と言える想念で現実を創る人が増えていけば、社会全体にポジティブな想念が増え、社会の現実を創ることになります。こっちの方が人類にとって非常に生きやすい社会になるのではないでしょうか。

これからは個性の輝きありきの時代だと思っています。個性が輝いて組み合わさっていけば、パズルのピースのようにピタリとはまり、予想もしなかったような調和の在り方が、社会に現れるのだろうと考えています。私自身、挑戦を選ぶ多くの方のサポートを続けていき、いつか現れる新しい社会の姿を見られる日を、とても楽しみにしています。