2022.06.24

真のダイバーシティ実現を目指す資生堂の在り方。

年齢や性別、国籍など、異なるバックグラウンドを持つ人が集まり、豊かな発想を目指す「ダイバーシティ」。美容関連企業の国内大手、資生堂グループは、女性社員の比率が多く、女性管理職の割合も国内の平均を超える。資生堂グループCEOの魚谷氏は、ダイバーシティ実現の鍵は女性のさらなる社会進出・活躍と捉え、社内の環境整備など働きやすい受け皿づくりに率先して力を入れる。名経営者としても真価が問われる舵取りに大きな注目が集まっている。

個の力を育て、組織のさらなる科活性化を。

資生堂グループの社員数は約4万5,000人。女性の比率は80%を超える。国内の女性管理職比率は約30%。日本企業全体の数字11%と比べ高い数字を維持している。スウェーデンやイギリス、シンガポールなども30%台であり、諸外国と比べても見劣りしない。資生堂グループのCEO魚谷雅彦氏は、女性管理職の比率をさらに増やしたいと考えているところだ。理想は女性管理職が当たり前に増える世界。男性に比べ、女性は時間の制約があることも少なくないが、職場の環境改善でハンデの解消を目指す。

「女性は結婚・出産・子育てで生活環境が大きく変わりますが、企業側もその変化に対応して出社・退社時間や育児サポートなど、一番負担の少ない形に環境を整備していかなければいけません。それらの環境を整えることができてはじめて、女性のリーダーが育っていくものだと思うからです」。

女性の管理職就任には、目標となる身近なロールモデルの存在も欠かせない。そこで2017年より立ち上げたのが、女性リーダー育成のための勉強会「NEXT LEADERSHIP SESSION for WOMEN」である。取組みを通じ、女性が男性に向けていい意味でのプレッシャーを与える存在になってもらえるように、魚谷氏自らが率先して勉強の機会づくりを行っているという。

なぜ?何のために組織や仕事があり、自分がいるのか。

「ゆくゆくは女性社員たちの力だけでさらに大きな波を起こしてほしい。女性社員一人ひとりが、もっと自身の可能性を信じていくことも大切だと思っています」と、女性社員の成長に期待を寄せる。女性がさらに活躍の場を広げるため、魚谷氏が重視するのは個々の資質や能力だ。個人より組織が優先されてきたこれまでの日本企業風土とは、真逆の発想と言える。

「なぜなら、お客様が多様化し、画一化できない時代だからです。SNSなどの影響で個性を強く主張する時代だからこそ、個々の社員がもっと力をつけてほしい。そして、自らの発想力を豊かにしてほしいと望んでいます」と魚谷氏。個が強くなっても、組織への思いはなくならない。その集合力は、結果的に組織にも反映されると魚谷氏は考える。個々と組織を繋げるのは「なぜ?何のために組織や仕事があり、自分がいるのか」という理念や哲学だという。

「その先にこそ、女性のさらなる活躍の場があるのだと思っています。まず5年後を見ていてください。当社には女性役員や様々な場面で活躍する女性リーダーが、今よりもっと増えているはずですから」。実際に現在も進行形で、同社の女性リーダーは増え続けている。魚谷氏は真のダイバーシティーを見据え、名経営者としての歩みを続けている。

転載元:Qualitas(クオリタス)

株式会社 資生堂

資生堂グループCEO

1954年生まれ。奈良県出身。1977年、同志社大学卒業後、ライオン歯磨(現ライオン)入社。1994年、日本コカ・コーラに入社し、社長・会長を歴任。缶コーヒー「ジョージア」のキャンペーンを成功に導く。2013年に資生堂のマーケティング統括顧問に就任、2014年より現職。中長期計画「VISION 2020」の実現に向け、改革に取り組んでいる。