2022.09.15

次世代を担う、子ども達の生きる力を育みたい。

開業以来、子どもたちの絶大な人気を誇る「キッザニア」を運営するKCJ GROUP株式会社。創業者の住谷栄之資氏が描くキッザニアのコンセプトは「Edutainment(エデュテイメント)」だ。Education(学ぶ)とEntertainment(教育)を併せたこの造語には、子どもたちの「生きる力」を育む、という思いが込められている。住谷氏が開業を決意するまでの経緯や、これから社会を目指す若者たちへのメッセージをご紹介したい。

チャレンジを重ね、社交性を鍛える

「最初は興味本位もあり、『ちょっと見に行ってみようか』という気軽な気持ちでメキシコまで足を運んだのです」。
住谷氏が職業体験のできる施設(キッザニア)を知ったのは、メキシコの現地に赴いた定年退職後すぐのことだったという。会社員時代、常にグローバルな視点で仕事を進めてきた住谷氏。「トニーローマ」や「ハードロックカフェ」などのフランチャイズ化事業や、「カプリチョーザ」の国内・海外展開なども第一線で推し進めてきた生粋のビジネスマンでもある。そしてメキシコの地でキッザニア事業の源流に出会うこととなった。遠い国までも足を運ぶフットワークの軽さは当時から健在だったが、実際に海外に対する見方が変わったのは、学生時代の体験がきっかけだという。

大学3年生の時、当時力をいれていた水球の世界大会に出場するため、アメリカとブラジルへ2週間ずつ滞在。「世界中から学生が集まり、英語が母国語の学生もいれば、そうでない学生もいました。この時、様々な国の学生と交流をしたことで、外国人とコミュニケーションをとることに対する不安は消えていきました」。未知なことにチャレンジすることで、新しい自分を知ることが出来たのだ。

若い世代について、住谷氏はこんな見解を示す。「今、教育をめぐる環境は大きく変化しています。それを受け、人材のグローバル化はさらに進んでいくことでしょう。つまり今後、日本人に求められることは「社交性」なのではないかと思うのです」。海外との交流で、最も重視するのは英語力ではなく挨拶だという。「日本語で挨拶ができない人は、どれだけ英語を勉強しても意味がないというのが私の持論です」。確かに挨拶の習慣が、パーティなどでも気後れせずに交流できる要因に繋がることも多々あるだろう。

現在でも社交性を養うために、住谷氏はエレベーターに乗る際の挨拶を続けているという。 そうした原体験を経て、住谷氏が定年後に開設したキッザニアは好評を博した。2016年には、革新的で優れたサービスを表彰する日本サービス大賞で優秀賞(SPRING賞)を受賞している。子どもたちからの人気も高く、豊洲(東京都)と甲子園(兵庫県)に続き、2022年7月には新たにキッザニア福岡がオープン。目指すのは、職業・社会経験を通じ、子どもたちの生きる力を育むことだ。実際にキッザニアに来る子どもたちは、さまざまな職種に挑戦することで自分に合った職業を見つけている。

「若い方々もチャレンジを重ねることで、自分に向いている職業が見つかるはずです。 グローバルに活躍できるよう、教養を身につけ、社交性を鍛えつつ、地球規模で物事を考える力を養っていってほしいと思っています」。

KCJ GROUP株式会社

名誉会長 

1943年生まれ、和歌山県出身。慶應義塾大学商学部卒業後、藤田観光に入社。1969年、株式会社WDIに入社後、「トニーローマ」「ハードロックカフェ」などのライセンスを取得し開発運営に携わる。退職後、「キッザニア」のライセンスを取得し、2006年に「キッザニア東京」、2009年に「キッザニア甲子園」、2022年に「キッザニア福岡」をオープン。代表取締役社長を経て、名誉会長に就任。現在に至る。