2022.01.13

様々な業種や場面で活用が広がっているデジタル技術。あらゆる業界の最前線から見えてきた、その進化とは?

様々な業種や場面で活用が広がっているデジタル技術。あらゆる業界の最前線から見えてきた、その進化とは?

The Reception Robot

新型コロナウイルスの感染拡大で、どう3密を避けた営業ができるかを思案した結果、接客用ロボットや配膳型ロボットを導入する企業も多い。市場調査会社の富士経済の発表によれば、2019年の業務・サービスロボットの世界市場規模は1兆9,819億円に上るとみられている。また、米マッキンゼー・アンド・カンパニーは2030年までに、日本国内で27%の業務がロボットやAIなどに代替される可能性があると試算。労働力不足が社会課題となった今、ロボットの活用が生産性向上などの課題解決に繋がる日もそう遠くはなさそうだ。

1.中国キーンオンロボティクス製の「K-1号」は配膳型ロボット。飲食業界を中心に導入が加速している。

2.配膳型ロボットに商機を見出したソフトバンクグループは、傘下のソフトバンクロボティクスから配膳自動化ロボット「Servi(サービィ)」を2021年1月に発売。3次元レーダーセンサーと3Dカメラを搭載し、独自のソフトウェアも活用することで、人や物を避けながら人混みの中でもスムーズな移動を可能にしている。

3.接客用ロボットと言えば、旅行会社エイチ・アイ・エスが展開する「変なホテル」で活躍するロボットも有名だ。現在は17店で導入されている。

4.コンビニエンスストアでもロボット導入が加速している。ファミリーマートは2020年6月、ローソンでも2020年9月より遠隔操作で店舗の商品を陳列できるロボットを導入した。一方、セブン-イレブン・ジャパンは自動走行ロボットによる商品配達サービスの実験を2021年1月にスタートしている。

Digital Closet

デジタルクローゼットとは、スマホで管理できるクローゼットのこと。持っている服をスマホ上で把握し、「ファッションをデジタルで整理する」ことを可能にしている。現代人のライフスタイルにマッチした発想だけに、今後も人気を集めていくサービスになるかもしれない。
例えば、デジタルクローゼットを使えば片付けが苦手な人の収納の悩みを解決したり、コーディネート選びをサポートしてもらったりすることもできる。また自身の手持ちの服から、AIが季節や天気に合わせた最適なコーディネートを提案してくれることもデジタルクローゼットならではの特性だ。

Smart glasses

1.デジタルクローゼットの利点は、既存の服や購入したファッションアイテムを管理できるだけではない。その日の天気や気温に合わせたコーディネートや、自分に合った着回しコーディネートが分かるので、服の組み合わせに悩んだり、無駄なアイテムを買ってしまったりすることもなくなるかもしれない。

2.ファッション業界も当然のように、デジタル改革の只中にある。これまでアナログで対応していた業務をデジタルに移行する「デジタルシフト」が急速に進み、業界革新にも繋がりつつある。

3.一部のデジタルクローゼットアプリでは、ECサイトと連携し購入履歴から服のデータを登録したり、より自分好みの服を見つけやすくしたりする仕組みが導入されている。ファッションの多様性が加速する要因にもなっていくだろう。

スマートグラスは、メガネやゴーグルのような形のウェアラブル端末のこと。まだ一般消費者に向けた普及は発展途上と言えるが、建設業界などではテスト的な実装も行われている。視覚で判断や判別を可能にするメガネ型デバイスという特性を活かし、これまでにない機能の付加が期待できるプロダクトでもある。少し前まで「SF映画のなかのもの」のように思われていたデバイスが、製造業や建設業などのビジネスの現場や、スポーツや映画視聴、レジャーに使えるものまで、選び方と使い方次第で日常に欠かせないツールになる日も近いかもしれない。

1.例えば、使用者の目の前に広がっている景色を、静止画や動画として視界そのまま撮影、データ共有や同時視聴したりすることもできるスマートグラス。遠隔で現場確認が必要なビジネスの場での応用のほか、リアルタイムでも擬似体験ができるためレジャーでの活用も考えられる。

2.既に実用化されているドローン撮影時のライブビューイングや道案内機能など、まだまだ活用や開発の余地が残されている。例えば観光客が実際の景色に観光用のデータをARで表示させたり、違う言語を使う人のための翻訳機能でコミュニケーションを促進したりすることも可能だ。

3.昨今では、アスリートの能力向上に役立てるための研究も進んでいる。アスリートの状態を多角的に把握し、ランニングした速度や距離、その際の心拍数などのデータをセンサーで計測、記録する機能を持つスマートグラスも存在する。データをディスプレイ上で可視化しながら、トレーニングの質や量の調整、フォームの改善ができるようになる。

様々な業種や場面で活用が広がっているデジタル技術。あらゆる業界の最前線から見えてきた、その進化とは?

AI × meal

AIを用いたデジタル技術があれば、食生活を整え、将来の健康貯金にも役立つかもしれない。実際に昨今では、AIを搭載した栄養管理アプリなどが続々とリリース。撮影された料理を判別し、必要な栄養素を教えてくれたり、使用者の栄養管理をアプリ内で可視化できるシステムも一般的になりつつある。仕事のスタイルや運動習慣、体調の変化などのパーソナルデータを事前に入力しておけば、おすすめの献立や生活習慣に関するアドバイスなども適宜示してくれるのだから嬉しいかぎりだ。デジタル技術を駆使することで、未来の食生活が好転するきっかけにしてみてはいかがだろう。

1.料理を撮影するだけで栄養素やカロリーなどの情報を判別する精度を上げるには、相当のデータが必要となる。特にここ数年は様々なデータの蓄積が盛んに行われるようになり、AI自体の精度も急速に上がってきた。

2.食生活をデジタル化することのメリットの一つに、正しい管理の継続がしやすくなることが挙げられる。特定のアプリ内で自分のデータが一元管理できるため、継続することが重要な健康管理においても、容易に取り組みやすくなるだろう。

3.日本は物資・食物ともに豊富な国で、海外からも様々な食材が輸入されている。外食産業が多様化していることも、食生活を豊かにしている要因となっているだろう。しかしその一方で、偏食による食生活の乱れも現代人ならではの特徴だ。そうした偏食の度合いをデータでわかりやすく示してくれるのもデジタルが成せる業。健康寿命に注目が集まる中で、いち早く食生活のデジタル化を進めてほしい。

転載元:Qualitas(クオリタス)

TEXT BY SHIZUKA YAGI EDIT BY SHOKO WAKI