2022.09.09

東京ガスが生み出す、日本流のデータ活用

1885年の創業以来、130年以上の歴史を誇る東京ガス株式会社。新型コロナウイルスの影響下でも堅調な業績を維持する同社で、2018年から代表取締役社長を務め、現在は取締役 代表執行役社長として指揮をとるのが内田高史氏だ。「日本が底力を発揮できる分野はまだまだある」と考える内田氏は、「日本企業はまだまだ捨てたもんじゃない」と、これからの若い世代にも期待を寄せる。経営者としてのターニングポイントを振り返りながら、東京ガスが目指す企業像を見つめてみたい。

可能性を最大化する識学流マネジメント

内田氏は大学卒業後、東京ガスに入社した。経営者としての歩みを進める中で、優れた経営者の条件として「リーダーとマネージャーの両方を備えること」という考えに至ったのだという。「具体的にリーダーとは、向かうべき目標が何かを明確に示す役割を持つ人で、マネージャーは向かうべき方向を見失わないように、間違ったことをしないように規制を作る人のことだと認識しています。その両方を備え、考えて行動に移せるのが優れた経営者ではないでしょうか」。

自らのターニングポイントとなったのは、電力の自由化だという。「今までの流れから経営も変え、生き残れる会社にならないといけないと考えるようになりました。しかしながら今までの伝統を完全になくしてはいけないと考えています。そのために、変わっていくものと変わらない価値は何だろうかと考えるようにもなりました」と内田氏は話す。

代表取締役社長就任後の2019年、東京ガスは中長期計画として経営ビジョン「Compass2030」を発表した。計画の中では具体的な取り組みとして、「CO2ネット・ゼロ」のリード、「価値共創」のエコシステム構築、 LNGバリューチェーンの変革の3つを掲げる。デジタル化の進展、エネルギーの自由化、脱炭素化の潮流、価値観の変化・多様化といった環境の変化も踏まえ、新たな価値の創出を目指しているところだ。

社会に果たす役割

新型コロナウイルスの影響が続く中、生活への制限が課せられることも少なくない。だが、デジタル技術を活用することで、ミーティングやオンライン飲み会ができるような時代へと社会は変化した。内田氏は今後ますます生活の多様化が進み、消費の仕方も変わると予想する。「今をきっかけに人と人とのつながりや価値がより貴重になっていくのではないかと想像しています。そして今後は、人間にしかできない仕事は何かを考えながら、新しいビジネスや生活スタイルが増えていく世の中になるでしょう」。

改めて、東京ガスの存在が社会に果たす役割について内田氏はこう語る。「東京ガスは、135年間続いているガスの会社で、創業してから現在に至るまで、生活に必要なガスを供給し続けてきました。また、エネルギーを届けることでどんどん生活が豊かになっていると私自身も感じています。便利さを追求しながらも、「脱炭素化」に取り組むなどして青い空のままで環境を良くすることが、私たちの使命なのではないかと考えているのです」。

東京ガスは中長期計画の中で、グループ全体の2030年の利益水準約2,000億円を目標とした。日本の屋台骨を支える老舗企業の一つとして、さらなるDX化を進めていくことが一つのキーになっていきそうだ。今後の取り組みにも益々期待したい。

転載元:Qualitas(クオリタス)

東京ガス株式会社

取締役 代表執行役社長 

1956年生まれ。大学を卒業後、1979年に東京ガスへ入社。2010年に執行役員総合企画部長、2015年に取締役常務執行役員資源事業本部長、2017年に代表取締役副社長執行役員リビングサービス本部長など、数々の職責を果たす。2018年4月より代表取締役社長 社長執行役員に就任。現在に至る。