2022.07.25

最先端のチーム医療で糖尿病患者を支える

2022年5月に愛知県豊田市に開院した「たいや内科クリニック」。長年にわたり糖尿病や甲状腺疾患及び生活習慣病を中心とした疾患治療に取り組んできた加藤大也医師が院長を務めている。専門家によるチームを組んで、糖尿病の予防から取り組んでいる加藤院長に話を聞いた。

糖尿病予防と治療のためクリニック開設

クリニックを開設するまで25年間、糖尿病や甲状腺疾患などの内分泌疾患や、生活習慣病を中心とする疾患に多く携わってきました。医師免許取得後、藤田医科大学病院を経て人口約40万人が居住する豊田市の基幹病院である豊田厚生病院に17年間勤め、糖尿病の合併症が進行した患者を約1000人以上診てきました。

糖尿病の合併症が進行した患者の多くが日常生活に不自由を感じ、後悔をしています。糖尿病は患者本人だけではなく、家族も大変な思いをするので、心配のあまり涙を流される姿を数多く見てきました。病気に関する知識を得る機会がなかったり、指導が行き届いていなかったりして症状が進行してしまう現状があり、早期から治療に介入することができればという思いが募り、健康なうちから糖尿病に関する知識を身に付け、意識付けを行っていく場所が必要だと考えるようになりました。予防と治療を両輪で行っていくべく、必要な人員、施設を備えた「たいや内科クリニック」を2022年5月10日に愛知県豊田市に開院しました。

早期介入のための情報発信

当クリニックには、かなり広いスペースの多目的室を設けており、ここで糖尿病教室や健康セミナーなどを開催し、市民の方に向けた啓蒙活動を行っています。糖尿病の初期は自覚症状がなく、症状が出てひどくならないと病院に行かないのです。糖尿病の症状が進行し、人工透析や目が見えなくなってしまう網膜症などの合併症にかかる方を少しでも減らせるよう、合併症の重大さを伝え、症状がひどくなる前に医師の診察を受けられるように早期介入していければと考えています。

当院では、経験豊富なメディカルスタッフ(看護師、管理栄養士、臨床検査技師: 糖尿病看護認定看護師1名・日本糖尿病療養指導士4名・愛知県糖尿病療養指導士2名)が在籍しています。糖尿病治療は、医師だけでなく、専門スタッフとタッグを組んで患者をサポートするチーム医療がとても大切です。必要に応じて専門スタッフと共に、患者一人一人に合わせた最適の治療を提案し、治療をサポートしていきます。また豊田市には外国籍の患者も多いので、ポルトガル語やスペイン語の通訳も在籍しており、外国籍の方も安心して治療が出来るようサポートしています。

また大学生のときに1型糖尿病を発症し、初めは患者として診察を受けにこられたスタッフが在籍しています。そのスタッフは「糖尿病についてもっと多くの人に知ってほしい」という思いを持ち、これまでSNSで発信してきました。この方にもスタッフに入ってもらい、患者視点からの知りたいことや最新の情報を発信してもらっています。

長期にわたるサポートが重要

今後のクリニックの展望として、糖尿病の患者が抱えやすい足のトラブルである糖尿病足病変への専門的ケアを行うため、フットケア外来を設けるなど患者のニーズに答えるさまざまなことに取り組んでいきたいと思います。また、AI問診や電話の自動応答システム、LINEを用いた予約など、デジタルの良いところを取り入れつつ、より利便性が高いクリニックとなるように成長させていきます。

クリニックを開設するに当たり、豊田厚生病院で診療していた患者約600人の紹介状を自分宛に書きました。糖尿病の治療は、長期間にわたります。一番大切な事は治療の主体は患者であり、医療スタッフはサポーターであるということです。それぞれの専門分野で成り立つ医療スタッフがチームを組み、患者の長期にわたる疾患に対する思いをサポートし続けることが何よりも重要です。最先端のチーム医療で、個々の患者に寄り添い、患者目線で分かり易い説明、最適な治療をして、安心と幸せを届けられるよう努めます。

たいや内科クリニック

院長

1997年、藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)卒業後、同大学院医学研究科内分泌・代謝内科学修了。2003年4月から同大学医学部内分泌・代謝内科助手を務める。2005年4月、JA愛知厚生連加茂病院(現 JA愛知厚生連豊田厚生病院)内分泌代謝科医長に就任。内分泌代謝科病棟部長などを経て2022年5月、たいや内科クリニックを開院。

https://taiya-naika.com/