2022.06.30

時代を先読み アフィリエイト広告で急成長

アフィリエイトASP「Link-A」の提供を柱に、成果報酬型広告に特化したアドネットワーク事業を展開しているリンクエッジ。社員数30人という少数精鋭で業績の最大化を実現し、創業10年で年商50億円以上という急成長を遂げた。川合幸治代表取締役に成功の理由を聞いた。

スマホ普及の波に乗る

創業当時はスマートフォンが爆発的に普及している時期でしたが、スマートフォンの広告やサービスを扱う企業はまだ少なく、この領域に私の前職でのガラケー広告の経験やノウハウを転用していち早く参入したことで、急成長することができました。現在、広告主とアフィリエイターをつなぐアフィリエイト広告のプラットフォームアフィリエイトASP「Link-A」の運営を主軸に事業を展開しています。

アフィリエイト広告は小売りの実店舗をウェブ上に置き換えたようなものだと考えています。例えば電化製品の売り場で店員から商品の説明を受けるのと同じように、電化製品のウェブ上の広告に、使用方法やメンテナンス方法まで詳しく説明するブログ記事が添えてあれば、「ここから買ってみよう」と思う人も増えるでしょう。今は実店舗からウェブに置き換わる過渡期で、まだまだアフィリエイトは伸び続けると思います。

初期は創業メンバーの2人で事業を行っていましたが、せっかく起業したのだから社会に影響を与える企業でありたいと考えるようになり、4年目くらいから社員をどんどん増やして組織を大きくしていきました。私も共に創業したパートナーも採用に関しては経験や知識がなかったので、人を雇うことの難しさに直面しました。会社に合わなくて伸び悩んでしまう人、途中でいきなり来なくなってしまう人もいました。採用方法を見直し、能力面よりも人となりを重視するようになると、会社に合う良い人材が集まってくれるようになり、今では約30人の社員が在籍しています。会社が成長しなければ、社員たちのモチベーションも上がりませんし、大きなこともできないので、さらに仲間を増やしていろいろなことに挑戦していくつもりです。

インターンシップで起業を決意

学生のうちに稼げる力を身に付けられれば就職せずに済むと考え、大学時代は仲間を集めてフリーペーパーを発行したり、卒業生の家電家具を集めて新入生に販売する事業を立ちあげたりしていました。

多少稼げましたが、それで一生食べていくのは無理だと感じていたところ、大手ECサイトの楽天市場に出店する企業のインターンシップに参加する機会を得ました。楽天市場にもかなり初期の段階で出店している企業で、常に新しいことに取り組んでいる社長の考え方に大きな影響を受けました。ある時、社長に言われるまま「オタク向けグッズ」を国内で仕入れて海外のオークションサイトに出品したところ、何倍もの価格で売れたのです。学生にもこんな商売ができるのだと驚きましたし、誰も着目しないようなところに目を向けること、そして時代を先読みすることの大切さを学びました。インターネットにはまだいろんな可能性があると感じ、いずれ自分も起業しようと決意しました。

大学卒業後は携帯コンテンツを扱う企業に就職しました。営業職希望でしたが、配属されたのは財務部で、自分の実務能力の低さを思い知りました。経営者になるためには財務の経験も必要だと自分に言い聞かせて頑張りましたが、評価は同期の中でも最下位で、どうあがいても自分に向いていないと見切りをつけました。その後、大学時代のビジネスパートナーが働く広告代理店に拾ってもらい、営業マンとして3年働いた後、パートナーと一緒にリンクエッジを立ち上げ、モバイル広告などの事業をスタートしました。

海外展開も視野に

当社では単純作業をIT化し、コア業務に集中して取り組むなど徹底して業務効率化を行っています。その結果、非効率な部分や古い習慣をなくすことができ、生産性のアップを実現できています。

順調に売り上げを伸ばし、創業から10年が経過しましたが、才能を持った人同士をつなぎたいという軸の部分と、時代を先読みして事業を行っていくという方針は当初から変わりません。ただ、今ではより長期的な利益を追求したいという思いが強くなりました。人を助けることで、何年もたってからその人が助けてくれたり、顧客になってもらえたりしたことが何度もありましたので、人のために動くことが自分の資産になることを経験しました。人の役に立ちながら、未来の資産を築く経営をしていきたいと思っています。

相変わらず実務は不得意ですが、周りに支えられながらここまでたどり着きました。今後は10年間で得たノウハウや人脈を生かして、新しい領域にチャレンジしていきたいと思います。広告主様を対象としたコンサルティングなど、クライアント企業の成長を総合的に支援する取り組みにも挑戦したいですね。また、日本はアフィリエイト先進国であるといわれています。海外展開も視野に入れて、「アフィリエイトといえばリンクエッジ」と真っ先に名前が挙がる企業になることを目指していきます。

株式会社リンクエッジ

代表取締役

1984年、岐阜県出身。同志社大学経済学部在学時に学生ビジネスを展開後、サイバードに入社。ngi group(現ユナイテッド)などモバイルインターネット企業を経て2011年、リンクエッジを創業。

http://linkedge.jp/