2022.10.25
教育から日本の可能性を支える
「ポラリスアカデミア」は、オンラインの学習管理指導で一人一人に合った学習方法を提供し、志望校への逆転合格を目指す学習塾だ。2名体制の細やかなコンサルティングによって学習の量と質を上げていくのが特色で、吉村暢浩代表は、受験生を合格に導くだけでなく、その経験を、今後の人生で達成すべき目標があったときに役立ててもらえるように指導を行っているという。

受験を通して目標達成力を
大学受験というと、入試が終わればそこで終りだと考えがちですが、そうとは言い切れません。それを自信に生きている人もいますし、逆に学歴がコンプレックスになってしまうこともあります。大学受験は最終の受験で、将来の肩書になることもありますので、単なる合否だけではなく、今後の人生にも影響を及ぼす試験だと分かった上で、真剣に取り組むべきです。
ポラリスアカデミアでは、逆転合格という体験を通して、目標設定から逆算していく目標達成のためのフレームワークを身に着けてもらいたいと考えています。その成功体験を持って、次の目標にも挑戦してもらいたいのです。何事もうまくいくまでやれば成功しますが、途中で辞めれば失敗に終わってしまいます。受験時にうまくいくまでやり切ったから、次にどんな困難があっても最後までやり切ろうと考えられるようになってほしいのですが、受験生の目標は志望校に合格することなので、第一は合格率を上げていくことにこだわっています。ただ、受験によって得てほしい真の意義にも共感してもらえたら理想的だと思います。

自身の合格体験から起業
私自身、模試がE判定だったところから、京都大学に逆転合格した経験が糧になっています。実家が裕福ではなく、住まいが差し押さえられるというようなこともありました。将来は良い大学へ行って良い企業に就職しなければと考えていましたが、お金がないので浪人はできない、下宿もできない、私立にも行けないため、地元の京大に現役で受かるしかない状況でした。塾にも通えないので、自分で目標設定をして、達成するにはどうすれば良いのかと分析し、現在地から逆算して問題解決を繰り返しました。野球部の活動もあり、多忙な日々でしたが、充実していたと思います。合格した時、自分の中で目標達成の感覚が芽生えました。
ところが、大学に入学すると、なんだかぬる温い空気を感じてしまいました。多くの学生が燃え尽き症候群のように日々をこなしていました。確かに京大を卒業しさえすれば、大企業に就職でき、将来も安定します。しかし、私は折角なら挑戦しなければもったいないと感じました。ぎりぎりのところで大学合格をつかみ取ったという経験があったからかもしれません。在学中、まずは個人事業主として受験生向けのコンテンツ販売を始め、人材会社で役員になりました。その会社で働く人たちは、学歴がなかったり中退していたりする中で、仕事で結果を出して挽回したいと死に物狂いで働いていて、京大生とはまた違った空気がありました。
私は学生生活を送りながら働いていたので、同時期に相反する存在に接することになりました。大学受験まで勉強を頑張ってきた人たちの熱量と、勉強をしなかったけれど、それを挽回すべく頑張っている人たちの熱量とを見て、良い大学に行って、仕事も頑張った方が良いのにと矛盾を感じました。大学に行けないのは本人だけの問題ではありません。今の教育制度に限界があることにも気付き、そうした問題意識がポラリスアカデミア設立のきっかけになりました。また、あまり勉強をしてこなかった子の中には、ロジカルに考えられなかったり、計画を立てられなかったりする子がいます。ただ勉強を教えるだけでなく目標達成力を鍛える塾が必要だと考え、今の業態に至っています。

保護者のコーチングにも注力
今後は、大学受験生だけではなく、低学年の子供たちの保護者に向けたコーチングにも注力していきたいと考えています。現在は、高3の夏になんとかしてくださいと入塾される方が多く、実際に大逆転合格も起きるのですが、本質的にはもっと前から家庭内で頑張っていた方が良いはずです。また、塾を運営する中で、保護者との関係に直面することがあります。保護者とけんかして、家から追い出されたため授業を受けられないということもありましたし、三者面談を行っても本音が出ないということもありました。二者面談にして本音を聞くと、両者の話が全く食い違っているのです。その様子からも、保護者の教育が必要だと考えました。子供とのコミュニケーションには細心の注意が必要で、承認して可能性を認めてあげなければなりません。保護者向けのコーチングでは、子供のタイプ別に、こういう声掛けが良いとか、子供が進んで勉強をするようになるために、レールを敷いてあげています。
教育は日本の可能性を支える業界だと思いますが、国はあまりお金をかけていないと思います。教育が変わると社会が変わって、全てが変わっていくので、この分野を盛り上げたいというのがシンプルな願いです。今後の日本の可能性のために、受験生や保護者、ゆくゆくは大学生や社会人に向けた教育も行いたいです。
株式会社ポラリス
代表取締役
吉村暢浩
2018年、京都大学工学部を卒業、同大学大学院に進学。2019年に京都大学大学院を退学し、受験コンサルティング事業「ポラリスアカデミア」を立ち上げ、2021年、株式会社ポラリスを設立。社会で勝ち抜くために必要な問題解決能力を大学受験を通じて身に付ける独自の指導を行っている。
https://polaris-academia.co.jp/