2022.11.07
元チャンプは年間250日のトップ営業をこなすファウンダー

「今、ダチョウがお薦めですね」と語る亀田氏。北品川商店街にあるダイニングバー「キンバル」はジビエがおすすめの一軒だ。「品川が近いから、出張の合間にたまに寄るんです。まずはハイボールで乾杯。カウンターの端に座って、お客さんを眺める。肉とハイボールが好きやから、ここではつまみながら飲めるのがいいですね」。
亀田氏が頼んだ品はダチョウのたたきと、とうもろこしのガーリックライス。ほかにも牛肉、馬肉、変わったところではカンガルーのグリルなどもメニューに並ぶ。聞けば、店主はジビエ好きの通う店「恵比寿フレーゴリ」で経験を積んだという。一押しは「刺身とお肉が好き」な店主こだわりの馬刺し、牛刺しなどの肉料理である。
ただし亀田氏にとってひとりの時間は限られている。引退後は3150ファイト運営のために全国を奔走する日々が続く。「ほぼ毎日、誇張ではなく年間250日は営業に出ています。スポンサーになっていただきたい方と毎日会っては話をさせてもらっています。やっぱりボクシングには自分自身が育ててもらった恩があるし、競技だから新聞にも載り、他の格闘技よりも扱いが大きい。それは先人たちのおかげじゃないですか。そのボクシングが他の格闘技に押されている今、再興と最高の願いをこめて3150ファイトを立ち上げたんです」。

店舗情報:キンバル Add : 東京都品川区北品川2-2-11 Tel : 03-6451-4624
そんな訳で、ファウンダーとなった亀田氏。自らトップ営業に出ているため、プライベートの時間はほとんどないのである。「これは自業自得ですよ。予定が空いているのがイヤで詰め込んでしまうんです。僕にとって仕事はボクシングと一緒。練習は絶対に毎日やるもの、仕事も同じで毎日やるから強くなり、賢くなるんです。僕は学歴もビジネス経験もほとんどありませんが、ボクシングのセオリーと勝ち方は知っています。僕の場合はとにかく練習で、反復は全く苦にならない。一回こうと決めたらずっと続けられる。そういう病気かもしれませんね(笑)」。
浪花節の営業スタイルは昼だけでは終わらずに、夜の部もセットでついてくるそうだ。「夜の部も一軒じゃなく二軒は必ずいきますね。カラオケがあって、そこでも必ず歌いますから年間250ステージ……これじゃあ本職の歌手より多いって(笑)」。そんな亀田氏だが、実はスコッチ好きのウイスキー通である。大好きなウイスキーはどのように楽しむかと聞いてみた。
「会食の場ではゆっくり味わうことは難しいですね。たまに嫁さんと2人でコレクションを飲むぐらい。『もう一杯作って』とお願いすると『店員ちゃうわ、早よ寝ろ!』と怒られます。これが僕にとっての隠れ家での一杯かな(笑)」。
転載元:Qualitas(クオリタス)
元プロボクサー
亀田興毅
1986年生まれ。大阪府出身。日本の元プロボクサー、実業家。株式会社亀田プロモーション代表取締役社長、3150ファイトファウンダー。4歳で空手を始め、2003年にプロボクサー・デビュー。06年にWBA世界ライトフライ級王座獲得し、07年にフライ級へ転向。10年、WBA世界バンタム級王座決定戦で勝利し、日本初の三階級制覇を達成する。2019年現役引退。2022年、自身がファウンダーを務める3150ファイト設立。