2022.10.19

「住み慣れた地域で暮らし続けたい」多様な介護サービスで地域の願いを実現

1985年の創業以来、さいたま市と坂戸市のエリアを中心に、地域に根差した多様な介護サービスを提供してきた株式会社ネヲハル。自分らしく働ける職場環境の構築が地域貢献につながるという黒川代表取締役は「スタッフそれぞれ個性を生かしながら、安心して住み続けられる地域社会を作りたい」と語る。

スタッフのワークライフバランスのを実現

弊社では、柔軟な働き方ができるように、事業所内に保育所を開設するなど、ワークライフバランスが実現できる職場環境を構築しており、10年以上勤めているスタッフも多く、中には勤続30年という人もいます。資格を持っていたり、経験を積んだスタッフはもちろん、介護業界でキャリアを高めていきたいという未経験者にも、知識・技術の習得や、社内外の各種研修へ積極的に参加できるようサポート体制を充実させています。

スタッフからは「上下の隔たりがなく、各部門ともコミュニケーションが取りやすい」という声が上がっています。スタッフ一人一人が上からの指示に何でも従うのではなく、自律的に考え、行動して、意見を言えるようにし、トップダウンで物事を進めていくよりも、皆で一緒に考えていこう、という体制をとっています。そうすることで組織が活性化し、運営も良くなり、利用者からの評判もよくなっています。私が代表に就任したころは、組織がここまで成長して、こんな明るい未来が来るなんて想像もできませんでしたから、非常に感慨深いものがあります。

社内の見える化、フラット化で立て直し

大学卒業後、カナダへ移住し、バンクーバーで15年間造園会社を営んでいましたが、義父の容体が悪化し、看病のために帰国して、義父の経営していたグループ企業の廃棄物収集業者に役員として入社しました。同じグループ企業の一社だった埼玉ライフサービスが行政処分を受け、最初は他人事のように眺めていたのですが、地域に根差している会社がなくなってしまうと、利用者、従業員が今度どうなっていくのかと心配になりました。埼玉ライフサービスが、私の地元を拠点としていたこともあり、全く経験のない業界ながら、放っておけずに手を上げて、代表として立て直しを行うことにしたのです。

会社の状況を把握しないまま引き受けたので、最初に経営状態を見たときは来月はどうするの、と目の前が真っ暗になりました。スタッフも会社がどんなに厳しい状況なのか把握しておらず、ほとんどが上が何とかするだろう、という意識でした。その意識を変えるため、経営状態の見える化に取り組みました。さらに、経営と現場を結びつけるために、組織をピラミッド型からフラットにして、「これからは逐一指示を仰ぐ必要はないから、一人一人が考えて動いていこう」と呼びかけました。

社内の見える化、フラット化は、会社の信用回復にもつながりました。コンプライアンスを遵守していくという組織の変化が、前向きな社員を通して伝わることで、元々の付き合いが復活し、新たな信用も得ることができたのです。

地域に根ざす大木のような会社に

会社が新しいステージに進んだので、未来に向けてリブランディングを進めています。もう一度、会社の存在意義を明確にし、以前よりもさらに細分化された地域の困りごとを漏れなくすくい取れるように準備しています。

これまで高齢者向けの訪問介護や訪問入浴介護、訪問看護、デイサービスと、重症心身障害児向けのデイサービスなどを提供してきましたが、弊社の規模でここまで多職種を抱えて事業を行っているところはまずないと思います。地域のニーズにきめ細かく対応し、さらにはスタッからの「こういうことができたらいい」という意見を大切にしてきたからこそだと思います。スタッフの思いや地域のために実現したいことを、事業を通してかなえていける柔軟性があり、チャレンジ精神のある人にとっては、いきいきと働ける職場だと思います。スタッフそれぞれの個性を生かしながら、サービスをさらに発展させて、安心して住み続けられる地域社会を作っていければと思います。

会社について一本の大きな木のイメージを持っています。地域に根を張った木から差し込む木漏れ日の中で、地域の皆さんが幸せに暮らしていく。そんな温かい組織でいられるように、これからも努めていきます。

株式会社ネヲハル

代表取締役

1962年、東京都出身。大学卒業後、カナダで造園会社を15年間経営。体調を崩した義父の看護のために帰国し、家業を手伝う。2015年、埼玉ライフサービス株式会社代表取締役に就任。2022年に、社名を株式会社ネヲハルへ変更。

https://www.neoharu.jp/