2022.03.11

人を生かした人事制度で「百年企業」を目指す 

東京・大阪・兵庫・福岡を拠点に労務関係の相談や手続き、企業の人事制度の構築まで手掛けている社会保険労務士法人協心。幅広いネットワークと、長い歴史で蓄積されてきたノウハウが強みだ。人手不足が課題となる中、「人事制度が人材不足を解消する役割として期待されるようになってきた」と語る同法人𠮷村徳男経営企画本部長に話を聞いた。

社会保険労務士法人 協心

生き生きと働ける人事制度を

弊社では、人事制度の構築から労務監査、就業規則の作成、給与計算のアウトソーシングまで、企業の人事労務関連業務を一気通貫で行っています。社内の人事制度に導入したいという企業に対し、その企業が末永く存続していくための要素を盛り込んだ唯一無二の人事制度の構築を支援しています。

人事制度というのは、これまではある程度の規模を持った企業が導入するものでしたが、最近は規模に関わらず、従業員が数人の企業からも導入の依頼が増えています。深刻な人手不足で、企業のトップは、、社員が納得できる給料体系や、生き生きと働ける人事制度をを作りたいと思っています。

少子高齢化社会の中、なかなか採用できず、採用してもすぐに辞めてしまう。多様性の時代となり、今までは「サラリーマンだから仕方がない」といやいやでも会社勤めを続けていた若者が、「自分はこの会社で何をしたいのか、会社から何を得られるのか」と追求するようになり、上司が部下に対して、人事評価や給与について説明できないと、離職者が増えてしまうという現実があります。説明の根拠となる会社方針を具体的に落とし込むためにも、人事制度は規模に関わらず全ての企業で必須なものとなってきました。

社会保険労務士法人 協心

人事評価の見直しが企業存続に重要

これからの企業は、社員の能力をいかに引き出せるか、というところが最も重要だと考えます。多様性の時代、従来のピラミッド型組織のやり方や、一人のカリスマ社長の考え方で乗り切ろうとしても、難しいでしょう。

重要なのは、社員に仕事の意味をきちんと伝えて、納得してもらうことです。そうすると社員は驚くべきパフォーマンスを発揮します。理不尽な仕事の渡し方をすると、社員は全く動いてくれません。一人一人の個性や強みを理解して、それを事業に転換していこうというマインドを持った会社が生き残っています。企業存続のためには、人事制度を活用し、点数評価を通じて社員がいかに成長できるかを見通すことが重要です。

5年ほど前からトップの考え方にも変化が出てきていると感じています。以前はトップに独自の考え方があって、社員は黙々と従っているという構図が多々ありました。最近は社員の夢ややりたいことができる理想の職場に近づくように社内制度を整えて、そこにトップの思いを重ねていく、という方向にシフトしてきていると感じます。それでもトップの中には思いが強く、なかなかシフトできない企業もあるので、私たちが間に入って、トップと社員のベクトルを合わせるようにしていきます。

社会保険労務士法人 協心

「四方笑顔」となる仕事を

企業に働き方を提案する仕事ですので、自分自身がまず働き方の最先端をいこうと意識しています。テレワークやバーチャルオフィスを活用し、社員が働きやすい環境づくりを追求し、一番理想的な働き方を実践して、事業者に提案しています。そうした取り組みをアピールすることで、個性的な能力を持った人材が集まっています。今後、労働時間の10%を自分の好きな分野の研究に当てて、それを業務に還元する取り組みを始めるようとしています。

弊社の理念に「四方笑顔」があります。「協心(弊社社員)」「顧客」「家族」「社会」の四つの笑顔を満たす仕事以外はやらないでおこうという取り決めです。無茶なことを相談してくる客ははっきりとお断りし、私たち自身が楽しい仕事で、顧客、家族、社会が笑顔になれるように、そんな仕事をしていこうと常に考えています。社会保険労務士業は、都会に集中しがちで、地方に行けば行くほど不足しています。今後全国展開を進め、人事労務の課題で悩んでいる地方の事業所にも我々のノウハウを提供していきたい。地方から企業を盛り上げて、日本全体を盛り上げたいと考えています。

地域に根差し、人を中心に据えた「百年企業」を増やしていくお手伝いをするため、企業の伴走者として寄り添っていきたいですね。

社会保険労務士法人 協心

経営企画本部長

1978年生まれ。2012年、近畿労務管理協会大阪会に入社。2013年、所長に就任。2016年、社会保険労務士法人協心の設立に役員として参画し、2021年、経営企画本部長として全国4拠点40名超の組織を統括。

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