2023.03.28

中小企業のスモールDXで生産性向上を

業務の効率化による生産性向上のため、DX(デジタルトランスフォーメーション)が必須といわれる中、製造業を中心とした中小企業のウェブ展開などをサポートに実績があるCooKaiの北林弘行代表取締役に、。中小企業における「スモールDX」をどう進めていくべきか、話を聞いた。

業務効率化でウェブ展開のリソース確保

中小企業が事業のウェブ展開を行っていく場合、業務の効率化は必須のものとなります。例えば企業が自社サイトやSNSを運用していく場合、良質なコンテンツを生み出すための担当者の負担は相当なものになるので、全体の業務を効率化して、その分ウェブブランディングに注力することが大切です。

「デジタル活用しなければ会社の未来はない」というのは多くの中小企業の経営者が考えるところなのですが、大規模なITへの投資が必ずしも必要というわけではありません。重要なのは自社の社員の手によって進めていくスモールDXなのです。

データに基づいた経営判断を

スモールDXを進めていくためには、まずは社員皆が当たり前にクラウドアプリを使いこなせるようになることからスタートすることが大切です。クラウドアプリ群を組み合わせ、社員皆で使うことができれば、想像以上に生産性が向上していきます。目指すべき組織像は、簡単なアプリなら自社内で数日かけて作ることができ、改変は即日対応でき、入力は全社員が行える状況です。こうなれば経営情報への反映や意思決定をスピードアップすることができます。良いことはすぐに試し、悪影響が出そうなことはすぐに止める文化も醸成しやすくなるのです。

現場の情報がデジタル化(データ化)されていけば、「経験と勘」で行われてきた経営判断や意思決定のやり方も変わっていくでしょう。情報共有が進み、編集、保存、検索が可能となり、データ集計や分析もでき、データという根拠に基づいた経営判断や意思決定ができるようになります。各々が持つ小さな情報にこそ生きた価値があり、その積み重ねが大きな変化・変革に繋がります。それがスモールDXによって生み出される効果です。

小さなDXで成長社会を実現

少子高齢化による人手不足が深刻化する中、生産性の向上がどの企業にとって必須の課題となっていますが、クラウドアプリを活用して業務情報の共有化や業務の定型化を進め、この課題を解決できるようにお手伝いできたらと思っています。社員がクラウドアプリを使えるようになると、子供のときから当たり前のようにクラウドアプリ使いこなしてきた若者たちが社会に出たときに働きやすい環境を用意することができます。クラウド活用に強い会社が人材を確保でき、競争力のある会社になっていきます。

中小企業においては情報システム担当者がいないという状況が多く、社内に一人は情報システムを統括できる人材が在籍していることが理想です。さらには会社外の地域や業界で気軽に小さなデータ活用に関して相談できる人を増やしていくことにより、会社のみならず業界や地域が主体となって、日本の生産性向上に寄与できるものと信じています。

これからもクラウドアプリを駆使して中小企業における小さなDX化を進め、人も事業も成長していくことができる社会の実現のために進んでいきます。

CooKai株式会社

代表取締役

1971年生まれ、兵庫県出身。慶應義塾大学理工学部卒業。コクヨ株式会社にてファシリティマネジメント・コンサルティングや新規プロジェクト等に従事した後、印刷・広告会社の役員としてウェブマーケティングや情報システム担当等を担う。2017年、CooKai株式会社を設立。企業のRPA、ERP、クラウド導入を推進。

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