2022.03.02

中小企業と児童養護施設の子供たちを支える 税理士法人エンパワージャパン 穂坂光紀代表税理士

横浜市を拠点に、中小企業に対して次世代へと事業が続く包括的な事業支援を行っている税理士法人エンパワージャパン。事業と並行して特に力を注いでいるのが、児童養護施設の子供たちが将来多様な選択肢を持てるように、地域で支援できる環境をつくる社会貢献活動「大空への翼プロジェクト」だ。穂坂光紀代表税理士に中小企業支援、そしてプロジェクトへの思いを聞いた。

中小企業と児童養護施設の子供たちを支える 税理士法人エンパワージャパン 穂坂光紀代表税理士

中小企業を未来につなぐ

中小企業の財務強化支援に専門・特化した税理士事務所です。最近は相続や資産税関係の税理士事務所が多い中で、中小企業に特化した支援をしたいという思いから、2014年に独立し、事務所を立ち上げました。

日本は99.9%以上が中小企業で、4人に3人が中小企業で雇用されています。しかし中小企業の置かれている状況というものはずっと厳しく、数は減少を続けています。企業が減り雇用が減ると、雇用されていた方の家族も路頭に迷ってしまいます。そのため地域にある中小企業こそ支えていかなければなりません。

存続できなくなってしまう中小企業の多くは、資金繰りが悪化して、資金調達ができなくなってしまうからです。そのため、しっかりとした財務体質を作ることこそが、企業が成長し、長く存続する鍵となります。

どんなに仕事に情熱がある中小企業の経営者でも、会社の資金運営の方法を学ぶ機会はなかなかありませんし、聞ける人もいないのが現状です。目の前の仕事に一生懸命で、中長期的な視点が持ちにくく、後継者についても、有効な対策を打てないケースも多かった。多くの税理士が毎年税金を計算するだけで、中小企業の包括的な支援をしてこなかったからだと思います。

経営者の役割は、事業をしっかりと存続させて、未来までつなげていくことだと考えています。私たち税理士は経営者のそばにいて、企業の存続と未来のあり方を話し合い、サポートしていかなければならないと考えています。

中小企業と児童養護施設の子供たちを支える 税理士法人エンパワージャパン 穂坂光紀代表税理士

父の涙ながらの言葉で回復

私の原点は、幼少期からの家庭環境にあります。実家が祖父の代から続く商売をしていて、働く親の姿を通して商売をする上で良い所も大変な所も全て見てきました。父は家族のことをいつも大切にしてくれて、どんなに仕事が忙しくとも欠かさずに家族と食卓を囲んでいました。

順調に高校まで進学し、このまま大学に進学して就職するんだろうなと漠然と思っていたところ、高校1年生の秋に、急に精神的に不安定になり、あっという間にうつ病になっていたのです。学校に行けない状態が4カ月間続き、閉所恐怖症と拒食症も併発し、自殺未遂をして病院に運ばれるまでになってしまいました。

病院から帰ってきて、「こんな自分じゃどうしようもない。生きているだけで迷惑をかけるから死にたい」と親に話すと、泣くところなんて見たことなかった父が、ボロボロと涙を流して、「それでもお前はおれの息子だから、生きているだけでいいんだ。だから二度と死にたいなんて言わないでくれ」といったのです。無条件の許容を感じて、「ああ、生きていていいんだ」と初めて心から思えました。そのときから少しずつ、回復の方向に向かうことができたのです。

高校に戻ることはできましたが、自分が本当にやりたいことをやろうと思い、ミュージシャンを目指して練習する日々を送っていました。当時のアルバイト先の店長に、「ミュージシャンになれるのはほんの一握りだ。もしものことを考えて、資格を取ればどこかで働けるかもしれないぞ。例えば簿記とか……」といわれたのをきっかけに、簿記の勉強を始め、在学中に簿記3級と2級を取得することができました。その勢いで、「税理士を取って、ミュージシャンになろう」と、大原簿記専門学校に入学したのですが、大変な道のりであることが徐々に理解でき、税理士を本気で目指そうと意識が変わりました。就職してからも勉強を続け、29歳で税理士になることができました。

中小企業と児童養護施設の子供たちを支える 税理士法人エンパワージャパン 穂坂光紀代表税理士

施設の子供たちにより広い選択肢を

当事務所では、児童養護施設の子供たちを社会で活躍できる人材へと育成する「大空への翼プロジェクト」にNPO法人、児童養護施設と協働で取り組んでいます。

児童養護施設の子供たちが支援を受けられるのは原則18歳までで、毎年1200〜1500人くらいの子供たちが児童養護施設から就職のために社会に出ていきます。彼らが学生のうちから地域や企業とつながりを持ち、支えがある中でスムーズに自立できるよう支援しています。取り組みの一つで、2019年に児童養護施設の子供たちを第1期生として、私たちの事務所で受け入れました。

その子が「自分も頑張れば税理士になれる」と希望を持ってもらえればいいなと思っています。そして税理士事務所の強みとして、多種多様な企業が顧問先にいますので、子供たちそれぞれの強みや将来への希望をかなえられるように、私たちがハブとなって、多くの企業と子供たちを結び、スムーズに受け入れられる仕組みが作れるように進めています。

親に「生きているだけでいい」といわれたからこそ、私の今があります。そしてアルバイト先の店長から助言をもらって、税理士への道を切り開くことができました。施設の子供たちにも、実は多様な選択肢があり、自分たちを歓迎してくれる多くの企業、地域があるということを知ってほしいのです。

企業の皆さまにも「大空への翼プロジェクト」を通じて、可能性に満ちた多くの子供たちの存在を知っていただき、彼らが地域社会で輝けるよう、「大空への翼プロジェクト」を通じて支援していただければと願っています。

税理士法人エンパワージャパン

代表税理士

1981年生まれ、神奈川県出身。大原簿記専門学校卒業後、税理士事務所に就職。働きながら勉強を続け、29歳で税理士試験に合格。2014年、中小企業支援に特化した税理士法人エンパワージャパンを創業。

http://empower-japan.com/