2022.08.03

不動産事業で日本と東南アジアの架け橋に 

地元福岡都市圏の投資用、事業用不動産の売買と東南アジア諸国の不動産開発に特化する創健舎工房。「ビッグマーケットとなりうる東南アジア諸国への進出をお手伝いし、顧客の繁栄と現地国の発展に寄与していきたい」と語る山本浩之代表取締役社長に聞いた。

地元福岡都市圏の不動産が強み

創業以来、事業用不動産や投資物件の売買仲介と事業コンサルティングを行ってきました。国内不動産や投資物件の売買での強みは、地元である福岡都市圏に扱う商材のエリアを絞っている点です。住んでいるからこそ知り得る地元ならではの情報を、顧客の事業拡大や収益向上のために活用してきました。これまでの顧客のほとんどが県外の企業や投資家でしたので、こういった情報はとても重宝されています。福岡都市圏は近年、ホテルや大型オフィスの建設ラッシュが続いていました。今は少し落ち着いていますが、今後も引き続きマンションや物流などの土地開発需要も増え、発展していくでしょう。ただ投資先としてのポテンシャルの高さや観光地としての大きな魅力があるにもかかわらず、海外からの注目度は東京や北海道などと比べると低い状況だといえます。今後は国内だけでなく海外の企業や投資家との取引にも力を入れ、福岡都市圏の良さをアピールしていきたいと考えています。

さらに土地や建物の仲介だけでなく、顧客の資産形成や収益を出すための賃貸管理会社や客付け会社、金融機関、インスペクション会社、弁護士、税理士などスペシャリストとのマッチングも行なっています。不動産投資はその人の与信で大金が動く訳ですから立派な事業であり、その道のプロたちによるチームで戦略を立てていくことが必要です。たとえ優秀な管理会社に任せていたとしても、長期的に計画通り収益を上げ、理想的な出口を迎えるためには、オーナーが先頭に立ってチームを率い、物件の環境を常に良い状態に維持していく気概と努力が必要だと確信しています。私はそのチーム創りのお手伝いをしてまいります。

活気あふれる東南アジアに注力

もう一つ注力している事業が、海外不動産開発の企画プロデュースです。主に東南アジアでの戸建分譲住宅開発を手がけています。現在の東南アジアは、生活インフラが整備され、都市部では高層タワーマンションの建設が進み、国中が活気にあふれています。こうした高層タワーマンションはその大半が海外の投資家に向けて販売されています。そのため、コロナ禍のようなパンデミック、あるいは米国や中国経済の悪化など外的要因で海外からの投資資金流入がストップした途端、事業計画に狂いが生じます。莫大な投資額と高リスクを考えると、中小企業や個人投資家の進出が困難であることは明白です。

そこで注目したのが、現地の人々が住むための戸建分譲住宅の開発です。投資額が抑えられ、資金回収の期間も短く、外的要因に左右されにくいのが特徴です。そのため、中小企業でも十分事業を展開でき、さらにその国の社会的インフラ整備にも寄与できる点は大きな魅力です。現在、タイのバンコクで、低価格帯の住宅88戸と高価格帯の住宅52戸の二つの戸建分譲住宅の開発に携わっています。日本の企業とタイのデベロッパーとのマッチングや、企画、事業スキーム作成、プロジェクト管理を行っております。幸いコロナ禍以前に土地の仕込みを終えていたので、遠隔で進行管理し、建築工事、販売とも順調に進んでおり、いずれも完売間近です。まだ予断を許しませんが、次は同じくバンコクで2つのプロジェクトと、フィリピンでのプロジェクトが控えており、さらに他の東南アジア諸国でも展開していきたいと考えています。

意思決定の早さを売りに

不動産業界において、一番大切なのは敏速な意思決定ですが、海外の現地企業はそれが備わっていると感じます。一方、日本の企業からは意思決定の遅さを感じます。おかげさまで現在お手伝いしている日本企業は、現地企業との関係も大事にしながら素早い意思決定で事業に取り組まれていますが、上役の決済を待っている間に良い物件が他に買われ、せっかくのチャンスを失ってしまう、ということも日本企業もしばしば見受けられます。これは大いに改善すべき点です。弊社は一人親方企業として、組織には出せない圧倒的な意思決定の早さを売りに、海外に進出する企業のお手伝いをしてまいります。そしてプロジェクトには弊社も(ファンドの運用者やそのスポンサーが一般の投資者と共に出資を行う)セイムボート出資をして、最後まで責任をもって取り組んでまいります。

日本企業は、意思決定の遅さだけでなく、日本経済が伸び悩んでいることも一因ではあるのですが、東南アジアという絶好の市場がすぐ近くにあるのに、うまく活路を見いだせていないように感じます。このままでは今後世界で一番大きな経済圏となりうるこの市場で、欧米や中国、韓国の後塵を拝し、世界に先駆けて培った技術やノウハウを無駄にしかねません。弊社は、東南アジア諸国の発展と、そこにもっとコミットしていかなければならない日本との架け橋となり、この大きな経済圏の中で、社名にもある通り、健やかな住宅を創造してまいります。

創健舎工房株式会社

代表取締役社長

1966年、福岡県出身。1990年、法政大学卒業後、日榮不動産(現:ナイス)に入社。首都圏の新築分譲マンションの営業に携わる。1995年アーサーホームに入社。新築分譲マンションの営業・用地仕入れ・企画・中古流通に従事。2002年、アーサーグループ3社の代表取締役に就任。2005年、創健舎工房株式会社設立。

http://www.so-ken-sha.net/