2022.11.21

ファッションブランド「マルニ」の歴史。

イタリアのファッションブランド「マルニ」は、レディースからメンズ、キッズ、ファッションアイテム、ファニチャーまで、幅広く商品をラインナップ。鮮やかな色使いやプリント柄など、多様なアイテムも特徴だ。創業から20年余りと比較的若いブランドながら、日本での人気も高い。表参道ヒルズに世界最大の売り場を誇る旗艦店をオープンするなど、近年は日本での展開にも力を入れている。さまざまなブランドとのコラボも話題となるマルニの歴史を紐解いていきたい。

毛皮・皮製品アイテムから出発

「マルニ」は、デザイナーのコンスエロ・カスティリオーニ氏がイタリアのミラノで設立したファッションブランド。1974年に夫であるジャン・カスティリオーニの会社「Ciwifurs(シーウィーファーズ)」の一環として出発した。毛皮と革製品のアイテムで出発したマルニはミラノコレクションへの初参加を機に織物、ニット、アクセサリーなど、トータルアイテムを扱うブランドへと進化を遂げている。1999年にブランドとして独立。日本でも2000年に株式会社マルニジャパンとして法人を立ち上げ、銀座や新宿、六本木などの直営店を展開するほか、2019年には表参道ヒルズ1階に約300㎡の世界一の売り場面積を誇る旗艦店をオープンし話題となった。

思いを表現する自由なデザイン

当初はレディースがメインのブランドだったマルニは、その後メンズやキッズのアイテムにも商品を拡大。バッグやファッション小物、ファニチャーなどのアイテム数も増やしている。マルニが展開するアイテムは独特のシルエットや色遣いが特徴で、プリントやドットなどの柄も多く取り入れている。デザインの出発点はカスティリオーニの「毛皮を洋服としてデザインしたら」という感覚が原点。既成概念にとらわれず、自由なデザインや思いを表現し続けるのが「マルニ」の特徴でもある。そうした背景から生み出されるアイテムは日本でも世代を問わず人気が高く、国別では日本の売り上げが最も高いという。使用する素材を日本の気候に合わせたものに変更するなど、おもてなしの心も忘れていない。

柔軟な姿勢で、新たな時代をめざす

マルニは新しい提携先とのコラボレーションにも積極的だ。H&Mやポーターなど、方向性の異なるブランドとのコラボレーションアイテムも展開。2012年からはOTBグループに参加し、事業拡大を強化してきた。グループ内の製造・販売を手掛ける企業と連携し、2014年にはキッズウェアの開発戦略強化のためBrave Kidと、2015年にはメンズコレクションのライセンス契約をスタッフ インターナショナルと結んでいる。OTBは2021年に全株式を取得し親会社となり、新たなスタートを切った。

日本においても攻めの姿勢を崩さない。2022年5月にはユニクロと初のコラボアイテムをリリース。シャツ、ボトムスからアウターまでそろえ、夏の需要をめざしオンラインストアと全国124店舗で展開した。日本を代表するカジュアルウェアメーカーとのコラボは、新たな顧客層へのアピールにも繋がる。柔軟かつ大胆な戦略を併せ持つファッションブランド「マルニ」の今後から目が離せない。