2022.01.11

スーパーラグジュアリーテントの在処。

空前のキャンプブーム。中でもテントの設営から食事の準備まで、煩わしさから解放されるグランピングが注目を集めている。しかしながら世界に目を向けると、より上級のキャンピングリゾートが存在する。ラグジュアリーホテル運営によるノウハウの蓄積によって、最上級のホスピタリティが約束され、上質なキャンバステント内にはベッドは当然のこと、バスタブまで完備されたプライベート空間が用意される。今回はロイヤルロード銀座が厳選した2軒のラグジュアリーテンテッドキャンプを紹介したい。

スーパーラグジュアリーテントの在処。

グランピング界の最高峰、テンテッドキャンプ

 デリーから南へ400km弱に位置するランタンボール国立公園。それまで何もないように見えた小さな森の中、毎年9月上旬に突如としてサファリテントが立ち並ぶリゾートが出現する。これこそがアマニカスだ。10月から5月までの季節限定で楽しめるこのラグジュアリーキャンプでは、営業期間の終了とともにすべてのテントが撤収され、翌年に備えたメンテナンスが行われる。名だたるアマンリゾートの中でもアクセスに時間がかかることや、訪問時期が限られることから、アマンに魅せられ、世界中のアマンに泊まることをライフスタイルの一つとしているアマンジャンキーの人々でも、比較的未訪問となっているリゾートではないだろうか。
 一般的なリゾートと異なるテンテッドキャンプだからこそ、アクセスの悪さを逆手にとって移動も楽しみたい。通常デリーに1泊し、翌日鉄道に5-~6時間揺られて到達するその過程こそが冒険であると言えよう。だがその冒険の過程も安心してほしい。そこはアマン。デリーのホテルからアマニカス到着まで、アマンの担当者が鉄道内までも同乗して完全なサポートを提供してくれる。少しでも早くキャンプに到着したければ、セスナ機利用のオプションも可能。又、ジャイプールで観光を楽しむ場合は、スタッフ同乗の専用車で約3時間30分と様々なアクセスをアレンジすることも可能だ。
 アマニカスのエントランスは非常にシンプルで、この先にリゾートがあるのかわからないほどだ。目立つような看板すら存在しない。だが一歩敷地内に入ればそこはアマンの世界観が大切にされたスペースが広がる。暖炉を中央に備えた、広いアウトドアスペースがエントランス正面で迎えてくれ、たった10張りの白いテントがその奥に広がる森の木々の隙間から目に入ってくる。レストランやラウンジ、スパに至るまで、全ての施設がキャンバステントであることからもアマンのこだわりをうかがい知ることができるだろう。
 多くのリゾートでは客室の広さや眺望条件によって、様々な部屋タイプが存在することが一般的だが、アマニカスの部屋カテゴリーは「ラグジュアリーテント」ただ一つである。各テントの敷地は贅沢に取られ、敷地の入り口に置かれたランタンがキャンプらしさを演出してくれている。白いキャンバステントの入り口をくぐり、テント内部に入ればすぐにここも間違いなくアマンであることを再認識する事だろう。外観は間違いなくテントであるが、内部はアマン発祥のリゾートであるアマンプリ(タイ・プーケット)の客室内を連想させる。シンプルだが間違いなくナチュラルエレガントな空間美を、左右対称に配置された家具が演出しているのである。テント内には、独立したシャワーブースや、石をくりぬいて作ったであろうバスタブまで完備され、エアコンも当然設置されている。にもかかわらず唯一無いものがある。それが冷蔵庫だ。だがこれも安心してほしい。ベッド前にあるチェストを開けてみると、氷が満載されたクーラーボックスにドリンクが入っている。電源はあるため冷蔵庫を設置する選択肢もあったろうに、クーラーボックスを設置したアマニカスに誰しもが、流石アマンと感嘆するだろう。これこそがキャンプでゲストに冒険の場を提供するアマニカスの心地よい演出であるのだ。
 オールインクルーシブのアマニカスでの食事は、希望に併せたアレンジが可能だ。キャンプ内で育てられたオーガニック野菜を利用したインド料理はもちろん、西洋料理のオーダーも各テントを専属で担当するバトラーにリクエストすれば、食べたい場所で提供してくれる。初日はテントダイニングでディナーを楽しみ、翌日はプールサイド、3日目は自身のテント内で楽しむといったアレンジができることも特徴的だろう。悩んで場合でもバトラーからキャンプ内の様々な場所でのディナーが提案される場合があり、何を食べるかだけでなく、どこで食べるかも楽しみの一つではないだろうか。
 ランタンボール国立公園を訪れる冒険者たちが最も楽しみにしているアクティビティは間違いなくワイルドライフサファリである。アマニカスでも精通したレンジャー同行のサファリに参加することができる。朝食前のモーニングサファリは、静けさの中に鳥のさえずりと虫の鳴き声だけが聞こえる豊かな自然の中で、様々な野生動物を目の当たりにすることができるだろう。参加者の誰もがこのサファリで目にしたい憧れのターゲットがベンガルトラ。国立公園内でも生息は数えられるほどであり、ベンガルトラに出会うために何度もアマニカスに訪問するリピーターもいるほどだ。もしベンガルトラに出会えなくとも、豊かな国立公園ではシカや牛、サルや水辺のワニ、様々な野鳥に出会うことができるため訪問者を飽きさせることはない。サファリを楽しんでキャンプに戻ると、そこにはバトラーが用意してくれた朝食が用意されており、エキサイティングなサファリを楽しんだ後の身体をフレッシュジュースが癒してくれるのである。
 午後のアクティビティは、世界遺産であるランタンボール要塞訪問等の様々なメニューから選択できるが、ぜひキャメルサファリにも参加してみたい。ラクダに乗ってキャンプ周辺をゆったりとめぐる時間は、サファリカーで廻るサファリとは一味違った楽しみと言える。是非リラックスした時間をサンセットとともに楽しんでいただきたい。また、キャンプ内で忘れてはいけないのがリラクゼーション系のプログラム。本場インドだからこそ絶対に体験したいのがヨガとアーユルヴェーダだ。滞在中見つけたキャンプ内のお気に入りスポットでプライベートヨガレッスンを楽しんでみてはいかがだろうか。
 キャンプ内にとばりがおり、シンボルである暖炉に火が灯る時、アマニカス全体の雰囲気が一変する。まさに非日常を感じさせる時間であるこの光景は是非自身の目で確かめてほしい。

スーパーラグジュアリーテントの在処。

世界中のリゾートラバーが憧れる場所

 タイ・ミャンマー・ラオスの3国が、メコン川と支流のルアック川で国境を接するゴールデントライアングル。世界のラグジュアリーホテルを牽引するグループのひとつであるフォーシーズンズホテルズが、鬱蒼としたジャングルが生い茂るこの地にテンテッドキャンプを開業したのは2006年。今日に至るまで、世界中のリゾートラバーたちがいつかは訪れてみたいリゾートに挙げることが多い事からも、このキャンプが非日常を体験できる極めて稀有なスポットである事がうかがい知れる。
非日常の演出はキャンプ到着前から始まり、日中の到着であれば広大なキャンプ地のエントランスへは、車から小さなボートに乗り換えて訪問する。川を下りだんだんと近くなってくるテントの姿を目の当たりにすると、これから始まる別世界での滞在に心躍ること間違いない。敷地内に点在するラグジュアリーテントへは、他のラグジュアリーリゾートの様に敷地内を電動カートで移動する事はしない。テントによっては吊り橋を渡って移動する事すらある。これは自身の滞在するテントへ徒歩で移動する事自体を冒険の演出とする、フォーシーズンズの粋な計らいなのではないだろうか。
 レセプションから少しの時間を経て辿り着いたテントは、客室毎に若干異なるコンセプトを持つ。共通して言えることは、ベッド・ソファ・バスタブ等の宿泊する上で必要なものすべてが揃った、大人の為の上質な秘密基地のような場所と形容できる点だ。唯一ホテルと異なるのは、ここが厚手のキャンバス生地のテント内という事のみであり、客室内におよそ他のホテルでは備え付けられていないであろう、ランタンがあることがそれを物語っている。キャンバステント故に外部の音が耳に入ることも当然あるが、各テント間には十分なスペースが確保されているため、さほど気になるものではないし、虫の音や雨の日はテントにたたきつける水の音を子守唄にベッドで眠ることも非日常を感じる瞬間である。
 キャンプでは一部の特別なオーダーを除き、オールインクルーシブのシステムを採用している。食事はもちろん、アクティビティやスパまで含まれており、清算の煩わしさを感じずに楽しむことが可能だ。レストランはノンヤオレストラン1か所であり、タイ料理と洋食が提供されている。わずか15テントのみのキャンプであるため、予約も不要で時間内に好きな時に訪問すればいい点は、マイペースで滞在を楽しむにはうってつけのシステムであろう。また、夕食前に立ち寄りたいブルマバーは、夕方の5時から8時までの3時間限定スポット。ルアック川と敷地内のエレファントキャンプを背景に、夕刻の移りゆく風景をカクテルと共に楽しんでみてはいかがだろうか。ブルマバーと唯一のレストランであるノンヤオは敷地の両端に位置する。もし夕食前のトレッキングはちょっと・・・、という方も安心してほしい。電動カートは無いが、キャンプの専用車で送迎してくれるため、汗をかかずにディナーに直接向かうことができる。

スーパーラグジュアリーテントの在処。

 滞在2日目の朝にお勧めしたいのが有料にはなるがキャンプピークブレックファーストだ。キャンプ内最高地点まで簡単なトレッキングで身体を動かし、頂上の東屋にセットされた朝食でリフレッシュしながら、眼下に望むメコン川とラオスの奥から昇るサンライズを楽しむことができる。普段はゆっくりと目覚める方も寝坊は翌日に取っておき、この唯一無二の時間の過ごし方を体験してほしい。
 再びテントに戻ってシャワーでリフレッシュした後は、キャンプ最大のアクティビティであるエレファントライドに挑戦しよう。単なる象乗りと侮ってはいけない。ここでのライドはまるで象使い体験。プロの象使いたちがあくまでもサポート役に徹してくれ、広大なジャングルを散歩し、象と共に川の浅瀬で水浴びをする。キャンプならではの体験をするならば、絶対に参加したいアクティビティである。エレファントトレッキングでもし象に魅了されてしまったら、ディナーをエレファントサファリで楽しむという手もある。エレファントキャンプに特別にセットされたテーブルにはロマンチックな蝋燭の炎がともり、伝統的なタイ音楽の生演奏をバックミュージックに、夕刻寛ぐ象たちを見ながらの食事はとても思い出深いものとなること間違いない。
 3日目もアクティビティを楽しむこともできる。例えばキャンプを出てゴールデントライアングルの国境交差点にボートでアクセスすることもできるし、国境を渡りラオスに入国する体験も可能だ。もしゆったりとキャンプ内で過ごすのであれば、あえてアクティビティに参加しないことも選択肢の一つであろう。全てのテントにはアウトドアデッキが備え付けられており、自分だけの時間を過ごすことが可能だ。例えばこれまで訪問したリゾート滞在でもゆったりとした時間を過ごす時間が好きだった場合、予約の際はアウトドアデッキにもバスタブが備えつけられたデラックステントを指定して予約することをお勧めしたい。眼下にジャングルを臨みながら、ドリンクを片手にアウトドアバスで寛ぐ姿を想像してみてほしい。リゾートラバーであれば堪らない時間の過ごし方であることを想像することは容易であろう。
 もちろんスパからも非日常へのこだわりが垣間見れる。フォーシーズンズクオリティに裏打ちされたレベルの高い施術はもちろんであるが、スパではそのロケーションの素晴らしさを感じていただきたい。竹林に囲まれたオープンエアのスパは山の斜面に建てられており、スパ内のバスタブや施術用ベッドのすぐ奥は、柵も何もない緑一面の谷である。まさに心も身体も解放されるスパでの施術はオールインクルーシブに含まれているため、アクティビティをカットしてでも是非訪問したいスポットである。
 最後になるがフォーシーズンズ・テンテッドキャンプでは類まれなロケーションによる安全の確保のために、10歳未満のお子様の滞在ができない。またテント内定員も厳格に3名までと決められている。それもまた非日常を提供するためにはやむを得ないルールなのかもしれない。

転載元:Qualitas(クオリタス)

スーパーラグジュアリーテントの在処。