2023.02.06

「ストーリーのある香りを」 

香りを軸としたライフスタイル企業として設立されたアロマンス。「ストーリーのある香りを作り出そう」と語る真海英明社長に、ブランドに懸ける思いを聞いた。

人の個性に寄り添ったものをビジネスに

2021年10月、香りを軸としたライフスタイル企業として設立し、2022年3月8日の「ミモザの日」に湘南葉山をベースとするブランド「HAYAMA AROMANCE」を立ち上げました。「AROMANCE」というのは、「AROMA(香り)」と「ROMANCE(物語)」を合わせた言葉で、「葉山にちなんだストーリーのある香りを作り出そう」と思ったのがきっかけです。

というのも、今はAIやITなどロジカルな考え方ばかりで、このまま行くと一人一人に好き嫌いがあり、個性があって違う感覚を持っている人間本来の姿が失われてしまうのではと危惧しており、そんな時代の中で「香り」の重要性に気付いたからです。「香り」というものは、昔のことを思い出したり、香りごとにイメージするものが一人一人違っていて、まさしく人それぞれの個性に寄り添ったもの。そういったものが、これからのビジネスには大切だろうと考えました。

葉山という地を選んだのは、前職でフランスのコート・ダジュールに出張に行った時にすごく素敵で、「日本のコート・ダジュールはどこだろう?」と考えた時に、葉山がぴったりだったので、この地を選びました。

経営で大切な二つの思考のバランス

経営というものは、感覚的な「センシビリティー・シンキング」という“前輪”と、科学的な「ロジカル・シンキング」という“後輪”のバランスが重要だと考えています。「センシビリティー・シンキング」で感覚的にビジネスの全体図をどうデザインしていくかを考え、「ロジカル・シンキング」でコストや投資金額などの“数字”を入れて思考する。それぞれのフェーズで「センシビリティー・シンキング」と「ロジカル・シンキング」が混ざってもうまくいかないですし、それぞれが独立して程よいバランスを取っていることが大事だと思います。

かの有名なトーマス・エジソンの言葉を、日本語では「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」と道徳的に訳されていますが、実際には「1%の『センシビリティー・シンキング』と99%の『ロジカル・シンキング』」という意味合いで、「センシビリティー・シンキング」が正しいからこそ、「ロジカル・シンキング」で投資しても成功するわけであって、最初のフェーズで間違っていたら、後の努力も水の泡になるということなんです。

「香り」と共に「物語」も届けたい

世の中にたくさんの香水メーカーがありますが、どこも成分だったり、どんな香りなのかといったことばかりです。AROMANCEの商品は、ストーリー性を重視しており、香りと共にお客様が香りから想起される物語も届けられればと思っています。私がストーリーを詩で表現して、それを素晴らしい調香師である森日南雄さんに伝えて、作ってもらっているのですが、森さんもコート・ダジュールにいたことがあるので、僕の思いをよく理解してくれて、香りに落とし込んでくれるんです。

今後、女性を意識した新しい香りを2つ企画しており、ぜひ楽しみにしていけたらと思います。

株式会社アロマンス

代表取締役社長

1957年、福岡出身。1983年、西南学院大学を卒業後、日本・フランス・アメリカ・イタリアのファッション企業でブランディング、マーケティングを担当。2010年にブランディングコンサルタント会社を設立後、新たなチャレンジとして2021年に株式会社アロマンスを設立。

https://hayama-aromance.jp/