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ザ・リーダー JR東海・柘植康英会長 リニア開業への決意語る 民営化までの苦難も
経済界を引っ張る経営者にMBSの高井美紀アナウンサーがインタビューし、その人間像を映し出すドキュメンタリー番組「ザ・リーダー」(MBS、関西ローカル)が10日午前5時から放送される。今回は2027年のリニア中央新幹線の開業を目指すJR東海の柘植康英会長を紹介する。
柘植康英会長は1953年生まれの65歳。岐阜にある寺の住職の長男として生まれ、京都・東本願寺で得度し、1977年に東京大学を卒業後、幹部候補生の「スーパーエリート」として国鉄に入社。1987年の分割民営化の2年前には、新潟で人事課長を務め、厳しいリストラを行ったという。
柘植会長は、リニア・鉄道館(名古屋市港区)に展示されている実験線で世界最高速度の581キロを記録した超伝導リニアの車内で、東海道新幹線開業前の1962年から開発が続けられているリニア中央新幹線について、「技術は完全に出来上がっている」といい、2027年の開業に向け、3兆円の財政投融資を受けるという決断を「私もそうだし、会社としても大きな決断だった」と熱く語る。
2人は、柘植会長が得度を受けた東本願寺(京都市下京区)で精進料理に舌鼓を打ちながら、激しい労使交渉が連日続いた入社から分割民営化までの10年間を「地獄のようだった」と振り返った。85年からは新潟で人事課長として厳しいリストラを行った経験から「社員の意欲を高めることが大事。一番底辺にある」という思いを語る。
「ザ・リーダー」は、誰もが知っている大企業の社長、ちょっとユニークな中小企業のトップたち、次々とヒット商品を生み出す企業の経営者ら経済界を引っ張るリーダーを高井アナが訪ね、人心掌握術、健康法、趣味、愛読書などさまざまな話を聞く。次回は3月31日午前5時から、新教育総合研究会の福盛訓之社長を紹介する。