2022.05.19

コロナ禍で増えるトイレの悩みはプロに 鶴泌尿器科クリニック・鶴 信雄院長

新型コロナウイルスの感染拡大によるリモートワークなどで在宅時間が増え、「トイレが近い」ことに気づくなど、泌尿器の悩みが増えているという。日帰りの前立腺肥大症手術を行っている静岡県浜松市の「鶴泌尿器科クリニック」鶴信雄院長は「トイレの悩みはプロフェッショナルである泌尿器科を受診してほしい」と話す。鶴院長に話を聞いた。

患者の「笑顔」で開業を決意

私は元々、開業医になるつもりなんて全くありませんでした。長年、磐田市にある地域の中堅病院に勤務しており、院長が腹腔鏡手術の先駆者として名高く、数多くのがんの手術を経験する機会に恵まれていましたので、いずれは大学病院や中核病院で、得られたスキルを生かしてキャリアを積み重ねるという漠然とした将来を考えていましたし、実際、腹腔鏡の指導医として、いくつかの病院から誘いも受けていました。

ただ、同時期に前立腺肥大症のレーザー手術も数多く手がけていて、「頻尿で困っている人を助けてあげたい」と思うようになりました。「先生、夜起きる回数が減って本当に助かりました、ありがとうございました」という感謝の言葉を聞いて、無上の喜びを感じたときに私のライフワークは夜間頻尿だとはっきり自覚できました。薬物療法、手術療法、民間療法、生活指導、保険適応外の先端医療など手段は問いません。このロードワークをこなすには、病院に属していてはできないと考え「自分のやりたいことを追求し、一人でも多くの患者に笑顔になってほしい」という思いから、手術ができる開業を決意しました。

コロナ禍にマッチした手術

前立腺肥大症の手術は、数日間の入院加療が一般的ですが、当院のレーザー手術は約1時間で終わるため、日帰りが可能です。前立腺肥大症は、薬で症状を改善できるため、手術を先送りにしてしまう方も多いようですが、日帰りであれば気軽に手術を受けていただけるのではないかと考えました。初めて前立腺肥大症の日帰り手術を行い、無事に家へ帰宅する患者の後姿を見送ったときのことは忘れられません。

新型コロナウイルスの影響で、リモートワークをする方も増えました。一日だけ有休を取得して手術を行い、術後は自宅でリモートワークにすることで、家族以外の他人に手術のことを知られずに済むので、今の時代に非常にマッチした手術だと考えています。

泌尿器科のイメージアップを

近年は新型コロナウイルスの影響により、外出の機会が激減しました。臨床研究では、普段から運動習慣のある人は、頻尿や排尿に関する症状が少ないという結果が出ています。その逆で、運動不足で肥満気味の方や塩分を取りすぎている方は、頻尿につながりやすくなります。運動の機会が減った今だからこそ、自分の生活習慣を見直してほしい。在宅時間が増えたことにより、「トイレが近いことに改めて気が付いた」という人もいます。

また、泌尿器科は「性病」のイメージが強く、あまり明るいイメージがありません。特に女性にとってはハードルが高く感じられるでしょう。「どんな診察をされるのか分からない」「恥ずかしい」と思い、ためらってしまうのです。しかし、おしっこの悩みを取り除くことは、快適な日常生活を送るうえでとても大切なことです。産婦人科に行かれる人が多いようですが、やはりトイレの悩みはプロフェッショナルである泌尿器科を受診してほしい。少しでも多くの人に安心して来院してもらえるよう、看護師やスタッフ一同、明るいクリニックの雰囲気づくりに一層力を入れていきたいと思っています。

鶴泌尿器科クリニック

院長

1967年兵庫県生まれ。1993年に浜松医科大学を卒業後、20年以上にわたり泌尿器科専門医として大学病院や地域病院に勤務。腹腔鏡手術を500例以上、内視鏡手術を1000例以上経験。多くの前立腺肥大症手術、排尿障害の治療にも携わる。2017年、鶴泌尿器科クリニック開院。