2022.03.15

アプリで「経験の共有」を提供 アトワジャパン・江田泰高CEO

2018年に創業し、人や企業の自発的な成長を支援する総合人材サービス、経営コンサルティングを提供しているアトワジャパンの「cradle(クレドル)」は、第一線で活躍するコーチ陣が監修したプログラムを、毎日自分の好きな時間に無料で受けられるコーチングアプリだ。「学びを得たい人、その学びを伝える人両者を支援したい」と語る江田泰高CEOに、アプリの開発の思いを聞いた。

アトワジャパン株式会社

プロの視点やアドバイスをアプリで体験

コロナ禍の影響でリモートワークが進み、出勤時に行っていた社員同士のちょっとしたコミュニケーションを取る機会が少なくなってしまいました。上司や先輩の考え方や仕事のやり方に触れる良い機会でもあったのですが、今ではその経験知が共有されずに失われつつあります。私はコンサルタントとして各企業の現状を知るたびに、今大切にすべきは、eラーニングによって得られる学習よりも、他の人の考え方や視点を自分の中に取り入れることだと感じるようになりました。そういった感覚的な学びの機会を身近な形で提供するために、構想から1年の開発期間を経て、2021年10月にコーチングアプリ「cradle(クレドル)」をリリースしました。

「cradle」では、経営コンサルティングファームで活躍している方やベンチャーキャピタリスト、心理カウンセラー、獣医師、ピラティスの先生など各分野のプロフェッショナルであるコーチ陣約40名の方が提供するプログラムを無料で受講できます。

プログラムを選択すると、コーチから毎日メッセージが届き、その日の簡単なタスクやアドバイスが与えられます。一つのプログラムは10日くらいで終わるので、負荷がかからず取り組めます。

コーチとのやり取りは定型のメッセージではありますが、実際に語りかけてもらっている気持ちになれるUIにこだわったチャット型のインターフェースを使用しています。プログラムを始めてから10日後には変化が生まれると思います。

アトワジャパン株式会社

「cradle」モデルで変革を起こせる人材に

「cradle」は、私が考案した「能動的変革モデルCRADLE MODEL(クレドルモデル)」の頭文字を取って名付けました。「CRADLE」は、 Connect(情報・人とつながる)の「C」、 Realize(新しい視点を得る)の「R」、Adapt(新しい視点を取り入れる、適応する)の「A」、Develop(自分自身を発展させる)の「D」、Lead(能動的に変革を引き起こす)の「L」、 Evolve(新しい自分に進化する)の「E」から取っています。

このモデルでは、自発的に変革できる人材になるためにすべきことを順番にまとめています。まずは情報や人とつながる(Connect)ことが大切です。つながることで、「他の国では既にこういう取り組みが行われているのか」「この業界はこういう考え方をするんだ」などという新しい視点を得る(Realize) ことができます、それを「仕事でも使えるかもしれない」と自分の中に取り入れて適応(Adapt)します。適応したら応用して「では次はこうしてみよう」と周りを巻き込みつつ自分自身を発展させて(Develop)、ついには変革をリード(Lead)するようになっていき、今の時代に適応する新しい自分に進化(Evolve)することができます。このサイクルを繰り返すことで、自発的に変革できる人材になれるのです。

この能動的変革モデルに従って、「cradle」では、六つのジャンルに分かれたプログラムを提供しております。例えば「DEEP DIVE」のジャンルでは、さまざまな事について思考の深堀をしてきます。私がコーチとして提供しているプログラムでは、受講者のストレスについて深堀りを進めていきます。「何をしたらストレスに感じますか?」「今のストレス度を1点下げるとしたら、何をしますか?」といったことをチャット画面に返信することで、思考をアウトプットして理解を深めていきます。そうすることで、自分のストレスに対する現状認識が可能になり、ストレスにどう対処すればいいかという行動にまでつなげていきます。

多くの社会人の場合、ここまで多様なプロフェッショナルの方にアドバイスや助言を受ける機会を得られることはほとんどありません。しかし「cradle」を活用していただき、新しい自分に進化する機会となるように願っています。

アトワジャパン株式会社

必要な学びを必要な人に届けたい

日本は他国と比較しても人材が流動化しにくく、キャリアアップするきっかけが得られにくいという現実があります。私自身、転職によってキャリアアップを実現してきました。29歳で外資系メーカーの物流部長として転職したとき、部下は皆年上で、最初はなかなかうまくマネージメントできませんでした。「この人についていきたい」と思ってもらえるリーダーになりたいと、これまで勤めてきた会社や学生時代のアルバイト先で私自身そう感じた人に会いに行き、教えを請いました。その結果、私にとっての理想の上司とは、部下自身が自ら考えて動く力「自走する力」を育てられる人だという結論に至りました。

部長の私が会社から去っても、自走する社員によってきちんと回る組織にしようと部下をマネージメントするようになり、次第に水を得た魚のように彼らが能力を伸ばし始めるのを目の当たりにしてきました。「cradle」はそういった自走できる人材育成に、非常に有効なアプリだと自負しています。

コンサルタントや各分野のプロの方でも、SNSでは彼らの貴重な知見を必要な人に届けられていないという現実があります。必要とする方に対してきちんと情報を届けられる場所として「cradle」を活用していただき、学びを伝えることを仕事にしたい方、学びを得たい方の双方にとって魅力的な学びのプラットフォームに成長させていくことが目標です。

アトワジャパン株式会社

CEO

2009年、慶応義塾大学経済学部卒業。新卒で大手物流会社に入社後、倉庫運営、輸出入、フォワーディング等の実務を経験。その後、外資系コンサルティング会社でSCMを中心に幅広いプロジェクトに従事。コンサルタントとしての経験を生かし、大手IT企業にて新規事業立ち上げや複数の外資系メーカーにて部門長を歴任。自身の転職経験と部門責任者としての豊富な採用経験を踏まえて、経営コンサルティング、人材育成、有料人材紹介を行うアトワジャパン株式会社を設立。プロジェクトマネージャーとして国内外の大手企業のSCM再編プロジェクトに従事、戦略アドバイザーとして複数のベンチャー企業に参画。2021年11月にCEOに就任。

https://www.atowa-japan.com/